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心理コンサルタントの白瀧です。
さて、人生には、決断しなければならないことが多々あります。
それは、昼食に何を食べるか、というような人生に大きな影響を及ぼすことのない些細な決断から、就職や結婚など、人生に大きな影響を及ぼす重大な決断までさまざまです。
それでは、このような、人生における重大な決断に迫られたとき、何を基準にして決断すればいいのでしょうか。
この問いに対して、『嫌われる勇気』でお馴染みの岸見一郎氏は、次のように答えています。
「人生における重大な決断をするときには、決断をする勇気が必要です。
決断の基準となるのは、自分が納得できる人生を生きられるかどうかです。
自分の人生は自分しか生きられないのですから、自分が納得できない人生を生きる意味はありません」。
ただ、それでも決断できないときには、他の人の期待に応えようとしているからだ、と指摘しています。
そして、
「自分の一存だけで決められないことがあるというのは本当です。
しかし、ほかの人の意見をあまりに気にすると、何も決断できなくなってしまいます。
周囲の人に丁寧に説明することが必要な場合もありますが、反対されたからといって、自分の決断を撤回する必要はありません」
とも述べています。
それでも、決断できないとすれば、それは、
「決断しないために他人からどう思われるかを気にしている」
というのが本当のところだろう、というわけです。
ただし、決断しても予想していたようにならないことはあります。
でも、そのようなときはまた考え直し、必要があれば再決断すればいいだけだ、というのです。
たとえば、好きな人と結婚したのにあとに関係が悪くなるとか、転職したけれども経済的に行き詰まるというようなことですが、そうしたことは最初から予想できるものではなく、問題が起きたときに対処するしかない、というわけです。
このように、自分で決断してもさまざまなことは起こりえますが、それでも自分が納得できる人生を生きるためには
「何らかの仕方で貢献感を得られるか、あるいはそれを予想できること」
が必要だというのです。
そこで、次のような例を挙げています。
「ある若い人が、経済的には成功していたものの、いまの仕事では貢献感を持てないので、医師になるために大学に入り直すことを決めました。
仕事を終えてから深夜に受験勉強をしていましたが、医師になって成功したいという動機ではなく、「貢献したい」という思いがあったので、勉強を続けることができました」。
どんな仕事も、よい結果を出せるまでには学ぶことは多々あり、一朝一夕で大成することはありません。
しかし、自分が納得できる人生のために決心を下すときに、すべてが苦しいことばかりではない、というのです。
「学ぶことは苦しい」というのは、子どもの頃から競争ばかりを強いられ、知ることの喜びを知らずにきた人の思い込みでしかない、というわけです。
そして、
「何かを決断したとき、それが間違っていなかったのかがわかるまでに何年もかかるわけではありません。
貢献感や楽しさを感じられるかどうかは、すぐにわかります。
それを基準に決断すれば、納得のいく人生を送れるでしょう。
そうでなければ、どれほど成功しても満足することはできません」
と結んでいます。
アドラーは、次のように述べています。
「判断に迷ったら、より多くの人間に貢献できる方を選べばいい。
自分よりも仲間たち、仲間たちより社会全体。
この判断基準で大きく間違うことはまずないだろう」。
他人のことに関心を持たず、自分のことしか考えない人間は、どのような決断をしても苦難の道を歩むことになるでしょう。
アドラーや岸見氏が言う通り、人は、他人や社会に貢献して初めて、自らの人生に満足を得ることができるのです。
そのことを肝に銘じて決断すれば、大きく道を外すことはないでしょう。
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