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心理コンサルタントの白瀧です。
さて、厚生労働省の「令和4年 労働安全衛生調査」によると、仕事や職業生活で強い不安やストレスを感じると答えた人の割合は、実に82.2%で、前回の調査から約3割増加した、ということです。
まさに、現在はストレス社会と言われる所以です。
多くの人が、
「ストレスなどなければいいのに」
と思われることでしょう。
しかし、このストレスですが、なければないで困ったことになります。
それを表すのが「ヤーキーズ・ドットソンの法則」という生理心理学の基本とされる法則です。
これは心理学者のR・ヤーキーズ博士とJ・D・ドットソン博士によるパフォーマンスとストレスの関係を示した理論で、
「高すぎず・低すぎない」
適度なストレスがある方が、最適なパフォーマンスにつながるということを示したものです。
そもそもストレスは物理学用語で、モノに刺激が加わったときのあらゆる反応を意味します。
これを「ストレス反応」と呼びます。
例えば、柔らかいボールがあるとして、ボールを凹ませる力がストレッサー(刺激)、その刺激に対する反応が「ストレス反応」になります。
ストレスが低すぎる状態とは、この刺激がまったくないということを指し、例えるなら、誰にも会わない、仕事もしない、何の予定もないといった状態です。
これでは、変化に反応しない=柔軟性を育めないので、パフォーマンスを発揮できないどころか、日々の生活が無気力・無反応になり、人として生きる気力が失われていきます。
その結果として、さらに深いネガティブな感情を抱くようになると考えられるのです。
つまり、人が、
・仕事がうまくいかなくて落ち込む
・将来を考えると不安になる
・人の発言に対して嫌な気持ちになる
・最近パートナーとの会話がうまくいかない
などのネガティブな感情を抱くのは、ストレスがあるからではないのです。
「そのストレスに対して自分は対応することができない」
と無意識に思っているからなのです。
それが、ネガティブな感情となり、ストレスから逃れようとさせるのです。
大抵の場合、人は、ネガティブな感情を悪いものだと考えてしまいます。
しかし、例えば、
「明日の会議は遅刻できない。でも電車が遅れたらどうしよう」
と心配になれば、
「いつもより早く起きて、早い時間の電車に乗ろう」
と前もって準備ができます。
つまり、ネガティブな感情は、視点を変えると健全な成長を促す「原動力」につなげられるということなのです。
しかも、心にネガティブな感情が生まれやすい人ほど、その先の成功を自らの力で掴み取るケースも多いと言われています。
従って、ネガティブな感情そのものをなくそうとするのではなく、それに対してどのように対処するかを考えることが大切になってくるのです。
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