ご訪問いただき、ありがとうございます。
心理コンサルタントの白瀧です。
さて、「ひとり言」を言っている人を見ると、なぜか、あまり良い印象を持たれることはありません。
「自分の世界に入り込んでいるみたいで気持ち悪い」とか、
「なんだか地味で暗い」
などということを言われる場合もあります。
しかし、この「ひとり言」、脳科学的に見れば、集中力をアップさせる効果が期待できるのだとか。
そのことを調べた実験があります。
実験では、ある数を見つけるオンラインゲームを4つのグループに分けて、その成績を比較しました。
4つのグループとは、より早く反応するイメージを持ってゲームをするグループ、起きるかも知れない状況を予測してゲームをするグループ、ひとり言をつぶやくグループ、そして、特に何もしないグループです。
その結果、最も優秀だったのが、ひとり言をつぶやいたグループだったということです。
そして、そのひとり言も
「90点を取るぞ」
というような具体的な目標を立てるよりは、
「一番になりたい」
「できるだけ頑張るぞ」
といったひとり言が最も有効だったそうです。
これは、90点という数値それ自体は、概念的なものであり、そのため脳の中でイメージしにくいからです。
その点、「一番になる」「頑張る」というのは、ずっとイメージがしやすい言葉だというわけです。
例えば、一番になったときに喜んでいる自分の様子、周りの賞賛する光景が連想されます。
また、頑張っている状況も、必死でコントローラを動かす様子がイメージできるでしょう。
イメージ化しやすい言葉であるがゆえに、脳を働かせやすくなるわけです。
これとは別に、ひとり言によって記憶力が増す、という実験結果もあります。
人間の記憶には、「短期記憶」と「長期記憶」がありますが、脳の機能からしてみれば、体を動かしながら、声を出して覚えたほうが、長期記憶になりやすいわけです。
これは、声帯や顔の筋肉を動かして発せられた言葉は、発せられたという事実で、エピソードと同じ意味と重みを持ち、それによって、エピソード記憶に近いものとして、長期記憶に残すことができるようになるからです。
また、蓄えられた長期記憶を呼び覚ますときにも、ひとり言が大きな力を発揮するそうです。
例えば、探し物をするときに、無言で探すより、
「ノートはどこに行ったのかなぁ」
とひとり言をつぶやきながら探すのです。
そうすると、ノートという言葉をキーワードにして、さまざまな連想が浮かび、それが長期記憶を刺激して、ノートのありかがフッと思い出されるというわけです。
人前でひとり言を言うのは、なかなか恥ずかしいものですが、ひとり言には、このように脳を活性化する効果があるようです。
【参考文献】
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
心理学教育の必要性と『気づきの思考法』を広める活動をしています。
『気づきの思考法』ホームページはこちら
↓ご協力のほど、よろしくお願いします。
自分を変えたい、人生の迷路から抜け出したい、
そう思う方は、
『気づきの思考法テキスト』を読んでください。
→詳しくはコチラ