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心理コンサルタントの白瀧です。
さて、私たち人間の脳には、
「メタ認知」
という機能があります。
メタ認知とは、
「認知の認知」
のことで、認知(記憶、学習、思考など)を、高い視点からさらに認知することを指します。
つまり、このブログで言うところの
「気づき」
のことです。
しかし、残念ながら、このメタ認知を効率よく利用している人は、あまり多くはいません。
例えば、次のような問題があったとします。
「ある国の将軍は、独裁者から国を解放するために、国の中央にある要塞を攻略しようとした。そのためには大群で攻め込む必要があるが、要塞に通じる放射状の道路には地雷が埋めてあり、大群で通ると爆発する。どうすれば、地雷を爆発させずに攻略することができるか」。
これは、なかなか難しい問題ですが、答えは
「小部隊に分かれて四方八方から進み、要塞で結集する」
というものです。
では、次の問題ではどうでしょうか。
「ある患者は、胃に悪性の腫瘍がある。そのままでは死に至るので、腫瘍を破壊する必要がある。しかし、その患者には体力がなく手術はできないため、放射線による治療を行わなければならない。強い放射線を当てれば、腫瘍は破壊できる。しかし、腫瘍は体の内部にあるため、外から強い放射線を当てると健康な組織も破壊されてしまう。どうすれば、健康な組織を傷つけずに、腫瘍だけを破壊することができるか」。
答えがお分かりになったでしょうか。
この問題の答えも、
「四方八方から弱い放射線を照射し、腫瘍で集結させる」
というものです。
即ち、両者の問題は、同じ構造を持っているわけです。
しかし、アメリカの大学生を対象に行った実験では、「要塞問題とその答」を示した後に放射線問題を考えてもらっても、正答できたのは40パーセント程度にしかならなかった、というのです。
要するに、両者を結びつけて考えることができなかったわけです。
では、なぜ、二つの問題の共通性に気づけなかったのでしょうか。
それは、両者の見かけが違っていたからです。
一方は軍事の問題であり、他方は医療の問題であり、そこに共通性を見い出すことができなかったからです。
私たち人間の行動も同じことです。
私たちは、自分や他人の行動の本質に気づくことができません。
それは、見かけの言葉に惑わされているからなのです。
私たちは、見かけの言葉がその人の本質だと勘違いをしているのです。
人間の本質に気づくためには、その人の言っていることではなく、やっていることに注目すべきなのです。
どんなに素晴らしい言い訳を並べ立てたとしても、その人が行動をしていなければ、それは
「行動したくない」
という本質の表れなのです。
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