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心理コンサルタントの白瀧です。
さて、ある精神科医が書いた著書に、
『職場を腐らせる人たち』
という本があります。
その本では、根性論を押し付ける人、相手を見下す人、責任をなすりつける人、他人の足を引っ張る人、人によって態度をコロコロ変える人、自己保身しか頭にない人、などなど、どの職場にも必ずと言っていいほど存在する厄介な人たちを、自身の臨床例を基に著しています。
その中に、次のような文章があります。
「もっと厄介なのは、自分には「例外」を要求する権利があるという思いが確信にまで強まっているタイプであり、フロイトは〈例外者〉と名づけた(「精神分析の作業で確認された二、三の性格類型」)。
〈例外者〉は、法律あるいは世間一般の常識では許されないようなことでも自分だけは許されると思い込みやすい。
もちろん、通常はそんな「例外」を認めてもらえるわけがない。
そこで、自分だけが「例外」を要求することを正当化する理由が必要になる。
それを何に求めるかというと、ほとんどの場合自分が味わった体験や苦悩である。
このような体験や苦悩の責任は自分にはないと〈例外者〉は考える。
必然的に、自分には責任のないことで「もう十分に苦しんできたし、不自由な思いをしてきた」のだから、「不公正に不利益をこうむった」分、「特権が与えられてしかるべきだ」との認識を持ちやすい。」
このフロイトが名付けたという「例外者」と言われる人たちは、何も特別に厄介な人たちであるというわけではありません。
彼らも、言わば、自分の劣等感を歪んだ形で補償しようとしている一つの例に他ならないのです。
彼らは、さまざまな体験や苦悩の中で、強い劣等を感じるようになったのでしょう。
しかし、
「自らの能力では、その劣等を補うことができない」
と無意識に間違った思い込みをしているのです。
ただ、人は、劣等感を抱いたまま生きることはできません。
そこで、その劣等を補うために、
「自分には特権が与えられてしかるべきなのだ」
という歪んだ認識を持つようになった、と言えるわけです。
つまり、自分には特権が与えられているという歪んだ認識を持つことによって、自らの劣等感の穴埋めをしているのです。
それゆえ、彼らが厄介なのは、自分を例外だと思い込んでいることではなく、自らの劣等感から逃げていることにあるのです。
従って、彼らがこのことに気づいて、自らの劣等感と向き合い、それを適切な方法によって補償しようとしない限り、この傾向は続くことになります。
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