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心理コンサルタントの白瀧です。
さて、みなさんは、
「明晰夢(めいせきむ)」
というのをご存じでしょうか。
簡単に言えば、明晰夢とは、自分が夢を見ていることを自覚して夢の展開をある程度コントロールできる、あるいは、それが夢であることを認識しつつ、その成り行きを観察できるような夢のことです。
それゆえ、明晰夢を見る人は、意図的に悪夢に介入し、別の結末に修正できることがあります。
そのため、こうした明晰夢には、特に悪夢にうなされる頻度を減らす効果があり、また、明晰夢が不眠症や不安感の緩和に有効である、という研究成果もあります。
一方、チベット仏教には、ドリームヨガというものがあり、訓練を積めば、夢を見ている時でも意識がはっきりとした明晰な状態になれる、とされています。
このドリームヨガも一種の明晰夢ではありますが、違う点は、ドリームヨガでは夢を見ている間に意図的に瞑想テクニックを使用する点です。
つまり、夢を見ながら自分がしていることを認識し、起きている時にはできないことを夢の中で実行するのです。
そのため、夢から覚めると、自分の思考やものの見方、自分が置かれている状況への理解をいとも簡単に変えられることに気づいて、認識の柔軟さを実感でき、また、新たな可能性や視点、状況に応じた結果を心に描くことができる、と言われています。
ただ、明晰夢には、ポジティブな面がある反面、ネガティブな面もあります。
多くの人がポジティブな体験として、夢の内容の改善、目覚めた時の前向きな気持ち、悪夢の減少を報告している一方で、ネガティブな体験としては、叫んだり動いたりできずに麻痺した感覚に陥った、眠っているのか覚醒しているのかわからなくなった、睡眠で得られるはずの回復力が低下したなどの報告が寄せられています。
では、具体的には、明晰夢はどのようにすれば見られるのでしょうか。
まず、明晰夢を見ようと思うなら、夢をかなり明確に思い出す必要があり、そのために、夢日記をつけるのがいいとされています。
夢日記をつけると、夢をはっきり思い出せるようになるのだそうです。
その上で、以下の四つの方法があります。
一つ目が、「リアリティチェック法」。
これは、日中の活動を定期的にストップして、これが夢なのか現実なのかを自問し、その後、通常の活動に戻るというやり方です。
こうした「リアリティチェック」を行うと、やがて「その人の夢に組みこまれて睡眠と覚醒を識別できるようになり、その結果、明晰な夢を誘発できるようになる」と言われています。
二つ目が、「MILD法(記憶誘導型)」(Mnemonic Induction of Lucid Dreams)。
このテクニックでは、目が覚めている間に見たい夢のリハーサルを行って明確に視覚化しつつ、「次に夢を見ている時は、自分が夢を見ていると自覚している」と自分に言い聞かせるものです。
三つめが、「WBTB法(二度寝型)」(Wake-Up-Back-to-Bed)。
これは、就寝から約6時間後にアラームをセットしておき、アラームで起きた後に約30分間は眠らず、その後、「明晰夢を見る」という意志を持って再入眠する、というやり方です。
最後が、「SSILD法(感覚誘導型)」(Senses Initiated Lucid Dream)。
これは、約5時間眠った後に起きて、自分の視覚、聴覚、身体的感覚に何度も順に意識を向けた後に再度眠るという方法です。
2023年のレビュー論文は、この四つの方法のうち、二つ目の「MILD法」が最も有効だった、と述べています。
明晰夢を見たいと思う人は、上記の方法を一度試してみてはいかがでしょうか。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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