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心理コンサルタントの白瀧です。
さて、前回の記事の続きです。
最も古い記憶が、旅をする、走る、車に乗る、ジャンプをするなど、運動への関心を明らかにすることも少なくありません。
これは、働き始めると困難に直面する人によくある特徴だと言えます。
例えば、次のような男性のケースがあります。
男性は、二十五歳で、とても信心深い家庭の第一子でした。
素行に問題がある、ということでアドラーのもとに連れてこられました。
彼は、反抗的で怠惰でうそつきで、借金も窃盗もしていました。
三歳下に妹がいたのですが、この妹は、人当たりの良いタイプで、自ら努力する上に能力もあり、きちんと教育も受けていたので、兄を簡単に追い越しました。
男性の素行が悪くなったのは思春期のころからでした。
このように聞くと、多くの心理学者は、生殖腺の成長によって起きた感情の「燃え上がり」のせいだと考えるかもしれません。
他のケースと同じように、この患者にも早すぎて害のある性的関係がありましたので、学者の考えは一層もっともらしく聞こえます。
しかし、そこには大きな疑問があります。
つまり、思春期という誰でも迎えるものに危機があるとしたら、どうしてこの患者には精神的な不幸を引き起こし、他のケース、例えば妹には起きなかったのか、ということです。
それは、妹のほうが有利な状況にいて、兄の状況は、特に危険なものだったからです。
さらに、患者の過去をもっと調べていけば、思春期がライフスタイルに変化など与えていなかったことがわかるでしょう。
彼は、思春期の前から、人生で社会のプラスになる面で一番になる、という希望をだんだんと失っていたのです。
人は、希望をなくせばなくすほど、マイナスの側での埋め合わせという楽な道に進んでしまいます。
この男性の最も古い記憶は、
「おもちゃの車に乗って一日中走り回っていた」
というものでした。
症状がよくなると、父親の会社に戻されましたが、最終的には外交販売員になって人生に適応しました。
彼の最も古い記憶は、運動への関心を示していたのです。
この続きは、次回に書きます。
【参考文献】
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