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心理コンサルタントの白瀧です。
さて、前回の記事の続きです。
アドラーは、自分の考えを確かめるために、娘と二人だけで話をしました。
そこで、彼は、養い親のことを尋ねました。
すると、娘は、養い親との生活がどれほど幸せだったかを話した後、泣きながら、最初は、母親といられるのがすごく楽しかったと話しました。
このことから、母親には誤りを理解してもらう必要がある、とアドラーは思いました。
娘は、辛い訓練に耐えることを望める状態にはなかったのです。
娘の立場で考えてみれば、彼女の行動が理にかなった反応だったことがよく分かります。
つまり、娘の反応は、一種の非難と復讐だったのです。
こうした状況下で、子どもの共同体感覚(アドラー心理学の基本概念の一つで、共同体に対する所属感、共感、信頼感、貢献感を総称して言ったもの)が少なければ、子どもが犯罪者や神経症になったり、自殺しようとしたりすることは十分にあり得ることだ、とアドラーは解説しています。
ただ、今回のケースでは、母親が真実をしっかり見て態度の変化を子どもに示せれば、子どもが回復するのは難しくない、とアドラーは考えました。
そのため、母親と向き合って、遺伝を信じるのは害でしかないことを説明し、一緒に暮らすようになったころに娘が抱いた期待はごく当たり前のものであること、厳しく扱われて失望して動揺し、期待される行動を取れなくなってしまったことをも説明しました。
そして、アドラーは、母親に、自分が間違っていて、これからはやり方を変えたいと思っていることを娘にはっきりと伝えて欲しいと思ったので、
「あなたには難しいと思いますが、私が同じ状況だったら子どもに伝えます」
と話しました。
すると、母親は、
「やります」
ときっぱりと答えました。
そして、母親は、アドラーが同席して助け舟を出す中で、自分が間違っていたことを娘に説明し、二人は抱き合い、ともに泣きました。
二週間後にアドラーのもとを訪れた二人はにこにこと笑顔で、とても満足そうでした。
そして、母親は、三年の先生から
「きっと奇跡が起きたのでしょう。この子はクラスで最も優秀です」
と言われたことを伝えました。
【参考文献】
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