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心理コンサルタントの白瀧です。
さて、前回の記事の続きです。
今回のケースにおける少年は、避けられない課題に向き合う準備ができていなかった、ということが言えます。
それゆえ、再教育が必要なことは明らかでした。
そして、これには特別な手段が要る、とアドラーは言います。
まず医師は、無理強いしても何の効果も得られないことを明確に理解しておく必要がある、というわけです。
患者には親しみのある態度で話しかけ、受け入れの態勢を整えなければならないのです。
実際、医師や心理学者の役割は、仲間と繋がる経験を患者に差し出し、それによって目覚めた共同体感覚を他者へ伝えられるようにすることだ、とアドラーは指摘しています。
患者の好感を得て、それを周囲に広げていくというこの手法は、まさに母親がしていることなのです。
母親の社会的な役目は、社会・社交とはどういうものかを子どもに伝えることだと言えます。
もしこのことがうまく行かなければ、その役目はずっと後になって医師に課されることなりますが、医師にとっては不利なことです。
母親には、肉体的・精神的なつながりという大きな利点があります。
子どもはこれからしていく愛と共生の経験をもっとも強く母親から得ることになります。
母親は、妊娠時に肉体的につながっていたように、成長していく子どもと精神的につながり、成長していく子どもの意識に、社会、仕事、愛に対するまっとうな考えを与えていく必要があります。
こうして、母親への子どもの愛と依存をだんだんと変え、社会や周囲に対するあたたかで自信と責任のある態度に向けていくようにするのです。
母親には、子どもにできるだけ包括的に人間の共生を経験させ、それを他者に対する人生の態度に拡大していくという二つの役割がある、とアドラーは締めくくっています。
【参考文献】
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