ご訪問いただき、ありがとうございます。
心理コンサルタントの白瀧です。
さて、今から何年前になるでしょうか。
NHKの連続テレビ小説で、「べっぴんさん」というタイトルのドラマが放送されていたことがあります。
私は、そのドラマを毎日欠かさず観ていたわけではありませんでしたが、ある日、何気に偶然観たシーンが非常に印象に残っています。
それは、主人公である女性、名前は坂東すみれさんが、夫である坂東紀夫さんの勤める会社を訪問するシーンでした。
その日、紀夫氏は、体調を崩して休んでいるようで、
「そのことで迷惑を掛けてしまった」
とすみれさんは、他の社員の人たちに謝っていました。
すると、社員の人たちが急にざわざわし出して、すみれさんに本当のことを言おうか言うまいかで悩んでいるようでした。
どうやら、すみれさんは、夫の紀夫氏がなぜ体調を崩したのかを知らないようでした。
みんなの態度を不審に思ったすみれさんは、その会社に勤めている姉の野上ゆりさんに
「何があったのか」
と尋ねます。
ゆりさんの話に寄れば、紀夫氏は、何かのプロジェクトについて大勢の人の前で話をするときに、非常に緊張し過ぎて倒れてしまったということなのです。
坂東すみれさんは、連続テレビ小説の主人公ですから、当然何かを成し遂げた方なのだと想像がつきます。
そこで、社員の中の一人が、
「奥さんはやり手なのに、旦那は人前で緊張して倒れるなんて、不細工やなあ」
とつぶやきます。
それを聞いた周りの人たちは、その社員をたしなめます。
たしなめられた社員は、平謝りです。
しかし、彼らも、すみれさんに事の真相を言おうか言うまいかで悩んでいたということは、少なからず、この社員と同じようなことを考えていたのでしょう。
私は、この後の展開を見てはいませんので、何とも言えませんが、もしその後、紀夫さんが、このことで悩まれたとすれば、私たちが抱える問題の本質とは、まさにこのようなものなのです。
つまり、私たちは、出来事そのもの、この場合であれば、
「緊張して倒れた」
ということで悩むわけではないのです。
なぜなら、緊張して倒れたこと自体は、別に良いことでも悪いことでもないからです。
私たちが悩むのは、その出来事に付された評価や自らの意味づけ、この場合であれば、
「奥さんはやり手なのに、旦那は人前で緊張して倒れるなんて、不細工やなあ」
という評価であり、
「そんな自分はダメだ」
という自らの意味づけに悩むのです。
それゆえ、その出来事が過ぎ去った後も、私たちは、その評価や意味づけに悩み苦しめられ、ずっと問題を引きずったまま生きることになってしまうのです。
この続きは、次回に書きたいと思います。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
心理学教育の必要性と『気づきの思考法』を広める活動をしています。
↓ご協力のほど、よろしくお願いします。
自分を変えたい、人生の迷路から抜け出したい、
そう思う方は、
『気づきの思考法テキスト』を読んでください。
→詳しくはコチラ