ご訪問いただき、ありがとうございます。
心理コンサルタントの白瀧です。
さて、子どもを育てていらっしゃるお母さんの中には、
「子どもを自立させるためには、何でも一人でできるようにさせないといけない」
と過度に思われている方がたくさんいらっしゃいます。
このようなお母さんたちは、「自立すること」と「一人で何でもできること」とを勘違いされていらっしゃるようです。
さらに言えば、何でも一人でできない状態を依存していることだと思われているようです。
そもそも「自立する」というのは、「一人で何でもできるようになる」ことではありません。
残念ながら、人間は、全てのことを一人ですることはできません。
どうしても一人ではできないことがあります。
これは動かしようのない事実です。
それゆえ、一人ではできないことを他の人に協力して手伝ってもらっても、別に依存しているわけでもありませんし、悪いことでもありません。
では、自立するとはどういうことでしょうか?
人間が自立するとは、自分のなすべき決断を自らきちんと下し、かつ、その決断に責任を持つ勇気のある状態のことを言います。
従って、ある行為を一人でできるかできないかが自立しているかしていないかの判断基準ではないのです。
これに対し、自分のなすべき決断を常に他人にしてもらおうとし、その人の影に隠れて責任を回避しようとする勇気のない状態が依存しているという状態なのです。
もちろん、幼い子どもにとって、身の回りのこと、例えば、服を着替えたり、トイレに行ったりなど、を一人でできるようになることは、成長するうえで非常に重要なことです。
決してそれを教えなくてもいいと言っているわけではありませんし、できないままで放っておけばいいと言っているのでもありません。
ただ、親が「何でも一人でできるようにならなくていけない」と過度に思い込み過ぎると、どうしても子どもの「できていること」ではなく「できていないこと」ばかりに注目してしまいます。
子どもは、できていないことばかりを指摘されると、やがて、一人でやろうと決断する勇気を失ってしまい、その結果、自分でできることさえも他人にしてもらおうとして、かえって依存傾向を助長してしまうことになる危険性があるのです。
この勇気を奪ってしまってはいけないのです。
大人でさえ、初めて経験することは、最初から上手くできるものではありません。
しかし、何度も繰り返し練習しているうちに上手くできるようになるものです。
それは、子どもにとっても同じことです。
子どものできていないことばかりに注目してそれを指摘するのではなく、子どものできていることに注目してじっくりと勇気づけして接していけば、やがてはできなかったこともできるようになっていきます。
子どもを育てるとは、親の思い描くような理想の子どもに育てることではなく、子どもが自ら生きる道を探して生きていけるように、自分の決断に対して責任を持つ勇気を養えるように援助することなのです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
心理学教育の必要性と『気づきの思考法』を広める活動をしています。
↓ご協力のほど、よろしくお願いします。
自分を変えたい、人生の迷路から抜け出したい、
そう思う方は、
『気づきの思考法テキスト』を読んでください。
→詳しくはコチラ