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心理コンサルタントの白瀧です。
さて、百人一首に次のような歌があります。
『契りおきし させもが露を命にて あはれ今年の 秋もいぬめり』
意味としては、
あなたがお約束してくださいました、させも草についた恵みの露のようなありがたい言葉を命のように頼みにしておりましたのに、それもむなしく、今年の秋も過ぎてしまった。
となります。
この歌は、恋愛の歌が多い百人一首の中では少し変わった歌で、歌の背景には次のような事情が横たわっています。
作者である藤原基俊の息子は、興福寺の僧都光覚。
興福寺では、かつて、藤原鎌足が維摩経の読誦によって病が癒えたことに由来し、毎年秋になると、維摩経を教える法会が行われていました。
それは維摩会と呼ばれていました。
この維摩会で講師を務めることは非常に名誉のあることで、基俊は、息子の光覚を「是非講師に」と、前の太政大臣藤原忠道にたびたび頼んでいたそうです。
その折に、
「大丈夫だ。私に任せておけ」
という返事をもらっていたのですが、結局、その年も、光覚は講師の選に漏れ基俊の願いは叶わず、そのときの失望と恨みを詠んだ歌だということです。
親のわが子に対する間違った愛情の示し方は、今も昔も変わらないようです。
そして、それが、子どものためではなく、単なる親の見栄のためであるということに気づかないことも、まったく変わりがないようです。
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