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心理コンサルタントの白瀧です。
さて、最近の研究によれば、私たち人間は、チンパンジーよりも目先の誘惑に弱いらしいのです。
つまり、チンパンジーよりも自制心がないということなのです。
それは、19匹のチンパンジーと、ハーバード大学とドイツのマックス・プランク研究所の学生40名を使った実験の結果から得られました。
実験とは、目の前のおやつの我慢比べ。
おやつは、チンパンジーにはブドウが使われ、学生たちには、レーズン、ピーナッツ、M&Mチョコレート、ゴールドフィッシュクラッカー、ポップコーンが使われました。
最初に、参加者全員に、好きなものを2つもらうのと6つもらうのとではどちらが良いかを選択してもらいます。
結果は、学生もチンパンジーもどちらも6つを選択しました。
これは、当然と言えば当然です。
次に、少しいじわるな選択をさせます。
それは、2つのおやつをすぐもらうのと、2分待って6つのおやつをもらうのとではどちらが良いかを選んでもらったのです。
結果は、意外なものでした。
72%のチンパンジーが、おやつを沢山もらおうと2分間我慢したのに対して、我慢できた学生は、たったの19%しかいなかったのです。
この結果から、人間は、チンパンジーよりも目の前の誘惑に弱いと結論付けられたのです。
しかし、ちょっと待ってほしい。
本当にこの実験の結果から、人間は、目の前の誘惑に弱いと結論付けられるでしょうか。
そもそも、人間とチンパンジーの間の最大の違いは、周囲の目を気にするかどうかというもの。
チンパンジーは、もちろん、周囲の目を気にすることはないでしょう。
しかし、人間は、周囲の目を大いに気にします。
この場合、目の前の誘惑に弱いというよりも、
「たかがおやつを6つもらうために、2分も我慢するせこい奴だと思われたくない」
という認識が強く働いたという解釈もできるのではないか、と私は思うのです。
恐らく、私がもしこの実験に参加していたとしても、そのように思って目の前の2つのおやつを受け取っていたことでしょう。
それだけ私たち人間は、周囲の評価というものを気にします。
もし本当に人間が目の前の誘惑に弱いかどうかを調べるのであれば、
たとえば、目の前に2万円が置いてあり、2分我慢すれば6万円がもらえる、
という実験をしてみたらどうかと思います。
果たして、この場合でも、2分我慢する人間がたったの19%しかいないでしょうか。
人間が目先の誘惑に弱いかどうかは、その人がその状況をどのように判断するかによって、大いに変わってくるのです。
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