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心理コンサルタントの白瀧です。
さて、脳科学の見解では、
「人間には、自由意志はない」
とされています。
これは、かつて行われたある実験に基づくもので、その後も同じような実験が何度か繰り返されています。
実験は、被験者に時計を見ながら好きなときに机を人差し指で軽く叩いてもらうというとても簡単なものです。
そして、
「机を叩こう」
と自分で思ったのは時計の針がどの時点にある時だったか、を覚えておいてもらい、後で報告してもらいました。
このときの脳の活動を調べてみると、驚いたことに、「机を叩こう」と意志するよりも早く、指を動かすための準備をする脳の部位がすでに活動を開始していた、という結果になったのです。
つまり、人の意志よりも脳の活動の方が早かったというわけです。
このことから、人間の行動は、すべてにおいて脳に規定されており、人間には自由意志はない、という結論に至ったわけなのです。
しかし、これは考えてみれば当たり前のことであって、もし仮に、人の意志が脳の活動よりも前に現れるとすれば、その意志は一体何が生み出しているのか、ということになってくるのであり、それは、人には脳のほかに意志を生み出す心が存在するという、まさに二元論の立場に立つことになってきます。
それゆえ、この実験の結果は、人間の行動はすべて脳内現象によって生み出されているであり、人の感情や意志もその例外ではない、という一元論の立場を証明したことに過ぎないのです。
では、もし人間の意志も脳が生み出す現象であるならば、人の脳の活動は、一体何によって決定づけられているのでしょうか?
それは、環境と身体の状態です。
そもそも脳とは、周囲からの刺激に対して、どのように反応するのが最適か、ということを導き出すために進化してきたものです。
それゆえ、人間の行動も、そのときそのときの状況に対して、脳が作り出す反射的な行動だと言うことができます。
そして、その反射的行動は、そのときそのときの状況においてどのように反応するか、ということに対して、脳が導き出した最適解であるがゆえに、その行動は、目的を持った反射だと言うことができるのです。
そうして、その反射的行動を後押しするために、人の脳は、意志や感情という現象を生み出しているわけです。
では、脳は、そのときそのときの状況に対する最適解をどのように導き出しているのでしょうか?
それは、経験と学習によって積み重ねてきた知識からです。
脳は、それまでの経験と学習によって積み重ねてきた知識から、その人にとって最適と思われる解を導き出すためのパターンを作り上げるのです。
このことを、東京大学・大学院薬学系研究科准教授の池谷裕二氏は、『脳の癖』という言葉で表現されています。
この『脳の癖』は人によって異なってくるために、状況に対する人の反応も、人によってさまざま変わってくるわけです。
従って、もし今の人生がうまく行っていない人がいるとするならば、その人は、その人の脳の癖が、状況に対して不適切な解を導き出しているからだということが言えるのです。
そのために、その人が自らの人生をうまく生きていくためには、自らの脳の癖を知り、その癖が導き出す不適切な解を適切な解へと変えていく必要があります。
そして、私たちの唱える『気づきの思考法』は、自らが持っている脳の癖を知り、それを意識的に変えていくためのテキストなのです。
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