それはモラルの問題か | 人生を変える『気づきの思考法』~アドラー心理学に学ぶ人生を成功に導く方法~

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心理コンサルタントの白瀧です。

 

さて、かなり以前になるのですが、京都の亀岡市で、登校中の小学生の列に、軽自動車が突っ込み、児童の1人と、その日たまたま付き添っていた保護者の母親1人が亡くなり、2人の児童が意識不明の重体、6人の児童が重軽傷を負うという、なんとも痛ましい事件が起こったことがあります。

 

亡くなられた母親は、妊娠中で、事故によりお腹の子どもまで亡くなっていることから、この事故で3人の命が奪われたと言っても過言ではありません。

 

軽自動車を運転していたのは、18歳の少年で、無免許で車を運転していた上に、居眠りをして事故を起こしたということです。

 

車には、少年の友人2人が同乗しており、事故後、車を止めて、

 

「大丈夫か?」

 

と児童らに放心状態で声を掛けていた少年に対して、同乗の友人らは、警察の事情聴取中にも、携帯で電話を掛けるなど、平気な顔をしていた、という目撃者の証言もあります。

 

よくモラルの低下ということが言われます。

 

同乗の少年らの行動を見れば、「なぜ、そんな事故を起こしておいて平気な顔をしていられるのか」と憤りを感じる方も沢山いらっしゃると思います。

 

しかし、人間のモラルというものは、時代によって高くなったり低くなったりするものではありません。

 

最近の研究によれば、人間の持つ倫理観や道徳意識は、人が成長するにつれて徐々に身につけていくものではなく、生まれたときから既に身についている、と考えられています。

 

もちろん、それは、倫理観や道徳意識についての複雑な観念が既に身についている、というのではありません。

 

人の倫理観や道徳意識の基本となるものは、自分の行動に対する『快や不快』という感情です。

 

実際、道徳に関する問題を考えているときの脳内の活動を調べてみると、この『快や不快』を感じる脳の部位が活発に活動しているのがわかりました。

 

それゆえ、生まれたときから既に身についているというのは、この倫理観や道徳意識の基本となる、自分の行動に対して『快や不快』を感じる感情だということになります。

 

従って、私たちが成長するにつれて学んでいくことは、どのような社会的な行動をすれば『快』、つまり心地よく感じ、どのような社会的な行動をすれば『不快』を感じるのか、ということです。

 

自分の社会的な行動に対して不快を感じれば、その行動をすることを恥ずかしく感じます。

 

そして、この羞恥心が、人の行動の抑止力となって働きます。

 

実際、最近の考え方によれば、この『恥ずかしい』という感情は、人が社会の中でルールを守って行動するために進化してきたものだ、と言われています。

 

要するに、人のモラルの問題とは、何もその人間に常識があるかないか、という問題なのではなく、各個人個人が、自分の社会的な行動に対して、どのような行動をすれば『快』、つまり心地よさを感じ、どのような行動をすれば『不快』、つまり恥ずかしく感じるか、ということなのです。

 

それは畢竟、その人が、自分の能力に対してどのような自己評価を下しているかということに結び付いてくるわけです

 

たとえば、自分の能力に対して低い自己評価を持ち、自分の能力に対して劣等を感じているとすれば、社会のルールに従う行動をすることは、『不快なこと』、つまり自分が周囲の人間よりも劣っているように感じて、恥ずかしくて惨めなことだと思うかもしれません。

 

逆に、社会のルールに反する行動をすることは、『快なこと』、つまり、そのことをかっこよく感じ優越感に浸れることだと思うかもしれません。

 

先の事故に関して言えば、彼らの自己評価が低いものならば、事故を起こし取り乱して放心状態になるのは、自分の能力の低さを露呈する惨めな行動で恥ずかしいものであり、こんなときでも平気な顔をして携帯でも掛けているのが、自分の価値を維持する行動だと無意識に考えたとしても、不思議ではありません。

 

このように、世間一般で言われる『モラルの問題』にも、やはり、人間の本質的な問題である劣等感が大きく絡んでいるのです

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

 

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