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心理コンサルタントの白瀧です。
さて、確か、何かの本で読んだと思うのですが、それが、いつの時代の、どこの国の話だったかは、記憶が定かではありません。
ついでに言えば、それが、何の本に書かれていたのかさえも忘れてしまいました。
まあとにかく、ある国にとても頭のいい馬がいた、というお話です。
どのように頭がいいかと言うと、その馬は、計算することができたのです。
飼い主が2つの数字を馬に告げたり、あるいは紙に書いて示したりすると、馬は、2つの数字を足した合計の数だけ、自分の蹄で地面を叩いて知らせるのです。
もちろん、飼い主以外の人間が馬に問題を出しても、馬は、きちんと正確な数だけ地面を叩くことができました。
この頭のいい馬の話は、すぐに国中に広まり、その馬を一目見ようと、各地から大勢の人たちが押し寄せてくるようになりました。
そんな中、ある心理学者がこの馬に非常に興味を持ち、その馬が、本当に計算することができるのかどうか、弟子に調査してくるように命じました。
そして、馬のもとに駆けつけた弟子は、早速、計算しているときの馬の様子を熱心に調査しました。
この弟子は、とても鋭い観察力の持ち主で、調査を続けるうちにあることに気づいたのです。
それは、馬と飼い主との位置関係です。
飼い主が、馬の視線の中にいるときには、馬は、間違えることなく正確に計算ができたのですが、飼い主が馬の視線から外れたところにいってしまうと、馬は、ほとんど正解することができなかったのです。
そこで、彼は、計算している馬ではなく、そのときの飼い主の様子をじっくりと観察することにしたのです。
そして、すべての謎が理解できたのです。
飼い主は、馬が蹄で地面を叩くのを聞きながら、その回数が正しい数になったときに、微妙に身体を動かして、馬にもう地面を叩かないように合図を送っていたのです。
もちろん、これは、飼い主自身も気づいていない無意識の行動でした。
そして、飼い主は、無意識ながらも、ちゃんと馬がわかるような合図を送っていたのです。
馬は、その飼い主の微妙な体の動きを察知することによって、地面を叩くのをいつ止めていいかを判断していたのです。
まあ、何れにしても、動物は、私たちが思っている以上にものごとを理解しているようです。
私たち人間の行動には目的があります。
この飼い主は、無意識のうちに計算できる馬を作る目的を持ち、その目的に合うように、自分でも気づかないうちに、馬に地面を叩くのを止める合図を教えていたのです。
私たちも、この飼い主のように、自分の目的に合うような言動を無意識のうちに取っているのです。
そして、自分の目的に合うような現状を作り出しているのです。
それゆえ、自分の無意識の目的を理解すれば、自分の今の行動の意味も自分が置かれている状況の意味も理解できるようになるのです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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