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心理コンサルタントの白瀧です。
さて、以前に、『人の嫌がることをする子ども』というタイトルの記事を掲載し、
子どもが、相手の嫌がることをしたり言ったりするのは、相手の気持ちを理解していないからではなく、それが相手の嫌がることである、とか、相手を攻撃する言葉である、ということをちゃんと理解している。そして、自分よりも立場の弱い相手の嫌がることや悪口を言って相手を攻撃することで優越感に浸ることによって、自分の劣等感を不適切な方法で補償しているのだ、
ということを書きました。
(この記事の詳細は→コチラ)
では、このような子どもには、よく言われているように
「いじめられている子の辛さを分かって」
というアプローチは無駄なのでしょうか。
もちろん、ある程度の効果は期待できますが、いじめの根本的な解決には至らないでしょう。
このことを端的に現している実験の結果があります。
それが、今日のタイトルでもある『他人の災難を喜ぶ脳』というものです。
この実験では、うそや窃盗、公共物破損、弱い者いじめといった経歴を持つ16~18歳の少年8人に、つま先に金づちが落ちるシーンなど不慮の事故を描くものと、ピアノの演奏中にふたを閉め演奏者の指を挟むという意図的なものなど、人が苦痛を感じる状況を描いた短いビデオを数本見せ、その間の脳の状態を観察したのです。
当初は、いじめっ子は他人の苦痛を目撃したときには何の反応も見せない、なぜなら、彼らは良心の呵責を感じないだろうから、と予想されていました。
一般的には、人は、他人の苦痛を目の当たりにすると、自分が苦痛を経験したとき活動する脳の領域が同じように活動するのですが、彼らも確かに苦痛を感じる脳の領域が活動していました。
それは、相手の苦痛を理解している、ということを意味しています。
そして、それと同時に、報酬や喜びに関係すると考えられている脳の領域も活発に活動していたのです。
つまり、彼らは、他人の災難を見ることによって報酬や喜びを感じていたということなのです。
要するに、彼らは、他人が苦痛を受けているのを理解した上で、自分たちはそれを見て喜びを感じていたのです。
これこそが『優越感に浸っている』状態なのです。
以上のことから、子どもは、それを言ったりしたりすれば、相手がどのような気持ちになるかを理解した上で、相手を攻撃し、その様子を見て『優越感に浸っている』のです。
そして、それは、人生の課題に対する勇気を失い、それから逃れるという劣等感を隠すための不適切な方法だと改めて言うことができるのです。
それゆえ、子どもが自らの劣等感と向き合わない限り、いじめの根本的な解決には至らないのです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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