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心理コンサルタントの白瀧です。
さて、かなり以前になるのですが、テレビである障害を持った子どもを育てている母親のドキュメンタリーが放送されていました。
何気なく見た番組でしたので、なんというタイトルの番組で何チャンネルで放送されいたのか、記憶が定かではありませんが。
映像を通してみるお母さんは、いつも楽しく元気にお子さんと接しておられ、見ていてとても微笑ましく感じました。
すると、番組のディレクターでしょうか、何を思ったのかカメラ越しに、そのお母さんに向かって、
「なぜ、いつもそんなに元気でいられるのですか?」
と質問してきたのです。
おそらく、健康な子どもを育てているお母さんが、楽しく元気でいたとしても、そんな質問はしてこなかったでしょう。
そのお母さんが障害のある子どもを育てているからこそ、そんな愚かな質問が口をついて出たのでしょう。
つまり、このディレクターは、暗に
『障害のある子どもを育てる母親は、元気であってはいけない。苦労していなければいけない。』
というレッテルを貼ってしまっているのです。
だからこそ、こんな質問ができるのです。
そして、そのお母さんは、この質問に対して、
「元気にしていないと耐えられない」
と答えていました。
これを聞いて、おそらくそのディレクターも納得したでしょう。
「やっぱり苦労していたのだ」と。
その答えは、もちろん、そのお母さんの本当の気持ちなのかもしれません。
しかし、そのような質問をされたとしたら、質問をされたほうはどのように感じるでしょうか。
まるで
「あなたは元気であってはいけないのだ」
と自分が責められているように感じるのではないでしょうか。
そして、無意識的にそのように答えなければいけないと感じてもおかしくないのではないでしょうか。
私たちは、往々にして、
『ある状況にいる人は、こうでなければいけない』
というレッテルを貼って相手を見てしまっています。
そして、そのような状況にいながら、違う行動をしている人を見ると、今回の番組のディレクターのように、
「それはおかしいのじゃないのか」
と知らず知らずのうちに相手を責めるような態度を取ってしまっているのです。
そうして、今回のお母さんのように、
「私は苦労している」
と無理にでも答えさせることによって納得しようとするのです。
要するに、私たちは、いつの間にか、
『障害を持つ子どもを育てる母親は、元気であってはいけない。苦労していなければいけない。』
という色眼鏡で相手を見ることによって、本当にこのお母さんが心から楽しんで元気に子育てすることを許さないようになってしまっているのです。
人間の機能面から言えば、ものごとを色眼鏡で見るのは、ある種仕方のないことです。
しかし、その色眼鏡は曇ってしまっていて肝心の本質を見失ってはいないでしょうか。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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