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心理コンサルタントの白瀧です。
さて、以前に、『赤ちゃんは、人の顔色を見て育つ』、そんな研究論文が発表されたことがありました。
その論文によれば、赤ちゃんとチンパンジーを使った比較実験から
ヒトの赤ちゃんは、
「この人は何を考え、何をしようとしているのか」
というように、他者の顔色を見ながら行為を理解し、学習していることが分かった、ということなのです。
実験では、ヒトの生後8カ月と12カ月の乳児30人と成人15人、それにチンパンジー(5~15歳、人間の小学生から高校生に相当)6頭に、女性がペットボトルのジュースをコップに注ぐ動画を見せ、「アイ・トラッカー」という視線を検出する装置でそれぞれの視線の先や動きを調べました。
その結果、チンパンジーやヒトの成人は、ジュースが注がれる前に動きを予測してコップに視線を集中させたのに対して、ヒトの乳児は、コップよりも長時間、女性の顔を見ていた、というのです。
チンパンジーは、物と物の因果関係に注目して、その人の行動の目的を予測して理解すると考えられ、これに対して人間は、顔の表情と物の情報を合わせて予測し、理解していると考えられます。
「ヒトは、他人の顔色を見て、心の状態を推測して、次の展開を予測する。これは複雑な社会環境に適応するために、独自に獲得した学びのスタイルだ」
と結論付けています。
どうやら、私たちは、生まれた瞬間から、他人の顔色を窺うことによって、相手のことを理解する学習をしているようです。
「私は、人の顔色なんか窺いたくない」
と言っている人も、結局は、人の顔色を窺いながら成長してきたのです。
では、それにも関わらず、他人の顔色が理解できないような行動をする人がいるのは、なぜなのでしょうか?
その場の空気が読めなかったり、他人の嫌がるようなことを平気で言ったり、相手を怒らせるような無遠慮な行動をしたり…。
この人たちは、他人の顔色を見る学習をしてこなかったのでしょうか?
いいえ、彼らもきちんと他人の顔色を見る学習をしてきたのです。
そして、他人の顔色を窺った上で、そのような行動を取っているのです。
なぜなら、他人の顔色を見ながらも、まるで相手の顔色を理解していないかのような行動を取った方が、自分にはメリットがあると学習してきたからなのです。
そのメリットとは、人間関係がうまく行かないのは、自分が悪いのではなく相手に原因があるのだ、とするメリットなのです。
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