ご訪問いただき、ありがとうございます。
心理コンサルタントの白瀧です。
さて、
「自分に確信が持てず、決断がなかなかできない」
と言う人がいます。
そんな人は、
「だから、ついつい周囲の人に合わせてしまう」
と言われます。
ここに大いなる自己欺瞞があります。
そして、自己欺瞞の一番簡単な見つけ方は、やっていることと言っていることの矛盾を探すことです。
もしこの方の言われる通り、
「自分に確信が持てず、決断がなかなかできない」
とするならば、
そのような発言をする決断は誰がしたのか、
という疑問が生じます。
また、
「だから、ついつい周囲の人にあわせてしまう」のなら、
その決断は誰がしたのか、という矛盾が起こります。
なぜなら、『周りの人に合わせる』ということも一つの決断だからです。
つまり、決断できないのならば、周りの人に合わせるという決断もできないはずなのです。
実際、私たちは、常に、決断をしています。
朝、起きる決断。
顔を洗い、歯を磨く決断。
朝ごはんを食べる決断。
会社や学校に行く決断、などなど。
私たちは、朝起きてから夜眠りにつくまで、常に、そのときそのときの状況に応じて決断をしているのです。
それゆえ、『決断できない』ということはないのです。
確かに、ためらいや迷いが生じたときなどには、『決断できない』と感じてしまいます。
たとえば、これから寒くなってくると、朝、起きる決断ができなくてベッドからなかなか出られない、というときがあります。
しかし、それは、『起きる決断がなかなかできない』ということではなく、『まだ起きない決断をした』ということに他ならないのです。
私たちは、日常生活の中で、常に、ある行動を『するか』、あるいは、『しないか』というどちらかを選択する決断を迫られています。
それゆえ、『ある行動をする決断ができない』ということは、取りも直さず、『ある行動をしない決断をした』ということに過ぎないのです。
何かを購入するかどうか迷っているときには、『購入する決断ができない』ということではなく、『今すぐには購入しない、という決断をした』ということに過ぎないのです。
友人などと一緒に食事に行ってメニューを見ても何にするかなかなか決められないときには、『何を食べるか決断できない』ということではなく、『何を食べるか自分は決めない、という決断をした』ということに過ぎないのです。
政治家が何かとものごとを先送りにするのも、『決断できない』ということではなく、『今は決めない、という決断をした』ということに他ならないのです。
このように、私たちは、常に、ある行動をするか、しないか、という決断をしながら生きています。
しかし、政治家がものごとを先送りにするなど、『行動しない』という決断は、場合によっては、自分の価値や評価を下げてしまう、と私たちは無意識に感じています。
そこで、そのような決断をしたときには、そのことをごまかそうとする行動をするわけです。
それが、『私は、〇〇だから決断できない』という周囲に対する言い訳であったり、ためらいや迷い、あるいは葛藤など、自分に対する自己欺瞞であったりするのです。
私たちは、『行動しない』という決断が自分の価値を下げると感じているがゆえに、『決断できない』ということを殊更強調する必要を感じてしまうのです。
ここに大いなる自己欺瞞があるわけです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
心理学教育の必要性と『気づきの思考法』を広める活動をしています。
↓ご協力のほど、よろしくお願いします。
自分を変えたい、人生の迷路から抜け出したい、
そう思う方は、
『気づきの思考法テキスト』を読んでください。
→詳しくはコチラ