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心理コンサルタントの白瀧です。
さて、独立行政法人理化学研究所の最近の研究成果によれば、人がものごとに注意を向ける際の脳のメカニズムの一端が解明された、ということです。
たとえば、居酒屋などの周囲が騒がしい中でラジオを聞きたいと思ったときに、そのラジオの音にどのようにして注意を向け意識を集中させているのか、その脳のメカニズムが解明されたということなのです。
この場合、今までの考え方としては、三つの考え方がありました。
一つ目は、注意した刺激に対する脳の感覚野の反応性を高めることによって知覚の反応性を高めるという感覚増強説です。
どうも、こういうものは難しく説明されているのでわかりづらいですが、まあラジオで説明すれば、『ラジオの音量を上げて聞く』ということです。
二つ目の説が、刺激を受けたときの脳全体の神経活動(ノイズ)を減らして、注意した刺激の知覚反応性を上げるというノイズ減少説、つまり、『ラジオのチューニングをうまく合わせて雑音を減らして聞く』ということです。
最後の三つ目の説が、注意した刺激だけに対する脳の感覚野における神経細胞群の反応を高めて、その他の刺激に対する反応を遮ることによって知覚反応性を上げるという効率的選択説、つまり、『ラジオにヘッドフォンをつなげて聞く』というものです。
そして、機能的核磁気共鳴イメージング(fMRI)を使った実験によって、そのメカニズムが解明されました。
それによれば、人の注意のメカニズムでは『効率的選択』が主な仕組みとして働いている、ということなのです。
つまり、人は、自分の興味のあることに注意を向けることによって、欲しい情報だけに意識を集中させ、いらない情報はシャットアウトすることによってものごとを知覚している、ということが改めて明らかになったということなのです。
このように、人は、『注意』というメカニズムを使って、無意識のうちに、自分にとって都合のいい情報だけを得て、自分にとって都合の悪い情報はシャットアウトしながら、自分自身の主観的な世界を創り上げているわけです。
それゆえ、自分が常にどのようなものに注意を向けているか、何に注意を向けて考えているか、自分が向ける注意の先に気づくことができれば、自分がどのような主観の世界に生きているかに気づくことができるのです。
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