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心理コンサルタントの白瀧です。
さて、以前に、『断捨離』という言葉が一時期大いに流行ったことがあります。
今は、整理収納と言うのでしょうか。
また、最近では、ものを持たない生活をする人たちのことを『ミニマリスト』と称したりします。
これら多くの片付け術や整理術の中には、ただ単にものを片付けるという方法論だけに止まらず、その人のものの見方や捉え方など、心を整理する方法まで教えてくれる深い切り口のものも数多くあります。
そして、ものが片付けられない、捨てられないというのは、もともとその効果的なやり方がわからないからだ、という方法論で済む場合も確かにあります。
しかし、ものが片付けられなかったり捨てられないがために、他の人に迷惑をかけていたり、または、毎日の生活に支障をきたしたりしているようなことがあれば、それはもはや方法論だけの問題ではなく、その人自身の心理的な問題であると言えます。
「人間の行動には、必ず目的がある」という目的論の考え方から言えば、「ものが片付けられない、捨てられない」という行動にもちゃんとした目的が存在します。
例えば、かつての一時期、よくテレビのワイドショーなどで取り上げられていたゴミ屋敷の住人の方などは、ゴミを捨てられないどころか他人のゴミまで自宅に集めるという習癖があり、衛生面や悪臭の問題など、そのことで近隣との間にトラブルが絶えませんでした。
このような方たちは、もともと対人関係が苦手で、近隣の人たちとうまく近所づきあいが出来ない、という問題を抱えており、ゴミの問題が更にそのことに輪を掛けていました。
近所づきあいがうまくできない上にこのような行動を取れば、ますます孤立するのは目に見えているのに、どうしてそんなことをするのだろう、と不思議に思われるかもしれませんが、ここにこの行動の真の目的が隠されているのです。
それは、近所づきあいがうまく行かない理由を、この習癖によって正当化しようとする目的です。
つまり、「私がみんなに嫌われているのは、私が悪いんじゃない。ゴミを集めるという私の癖をみんなが理解してくれないからだ」という自分独自の論理によって、近所づきあいがうまく行かない責任を他の人に転嫁できるわけです。
要するに、人間関係という本来の問題を避けるために、ゴミを集めるという習癖を利用しているわけなのです。
これと同じように、たとえば、ものが片付けられなくて部屋がきたないために、恋愛や結婚生活がうまく行かなかったり、あるいは、ものがうまく整理できなくて仕事などに支障をきたしているようなことがあれば、それは、ものが片付けられない、捨てられないということを利用して本来の問題を避けようとしているのです。
つまり、『ものが片付けられない、捨てられない依存』とでも呼ぶべき状態になっているわけです。
この状態を脱け出すには、方法論を学んだ上に、本来の問題と向き合う必要があります。
従って、もし「ものが片付けられない、捨てられない」という行動の本当の目的を知らないままにすれば、たとえものを片づけるテクニックを学んだとしても、一時的なものに終ってしまったり、あるいは反対に、「片付けなくてはならない」とか、「捨てなければならない」というような強い義務感に襲われ、そのことに依存するような状態に陥る危険性をはらんでいるのです。
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