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心理コンサルタントの白瀧です。
さて、日本語には、『以心伝心』という言葉があります。
Yahoo!辞書で調べると、「無言のうちに心が通じ合うこと」と書かれています。
この、「心が通じ合う」ことはコミュニケーションにおいてはとても重要なことで、これこそが、他者とのコミュニケーションの基本だと思われている方も多いと思います。
しかし、残念ながら、「心が通じ合う」というのは一種の錯覚であって、以心伝心ということは人間にはあり得ないと考えるのが妥当だと言えるでしょう。
なぜなら、もし人間が相手の表情や態度を見るだけで相手の心を完全に理解し合えるのなら、おそらく、言葉という機能は進化しなかったと思われるからです。
人間のコミュニケーション能力が、言葉という機能を獲得したことによって、飛躍的に向上したことは明らかなことです。
それは、赤ちゃんを見れば、よくわかります。
赤ちゃんは、言葉を話せない時には、その態度によって自分の欲求を親に伝えようとしますが、それがうまく伝わらなければ、必死で何かの言葉を発しようとしているのが見てとれます。
そして、成長し言葉を獲得していくことによって、親とのコミュニケーションをスムーズにさせていきます。
このことは、人間が言葉を介さなければきちんとコミュニケーションできないことの証明だと言えます。
「いいや、そんなことはない。愛し合っている二人なら、本当に心が通じ合っている時があるじゃないか」
と言われる方がいらっしゃるかもしれません。
確かに、愛し合っているときには、お互いの心が通じ合っているように感じます。
しかし、そのときには、二人がどれほどの努力をしているのかを忘れています。
相手の気持ちを理解するためにどれほどの努力をしているのか、そして、自分の気持ちを理解してもらうためにどれほどの努力をしているのか、を。
お互いの努力がピークに達しているとき、二人の心は通じ合っているように感じられるのです。
そして、お互いがその努力を止め、自分のことばかりを主張し出した途端に、
「どうしてわかってくれないの?」
となるわけです。
残念ながら、人間が主観的な生き物である限り、相手の気持ちを完全に理解することはできませんし、自分の気持ちを完全に理解してもらうこともできません。
このことを忘れているために、他人との間に誤解が生じるのです。
だからこそ、常に、お互いを理解するための努力が必要なのです。
相手を理解する努力を一切せずに、ただ自分の意見だけを押し付けようとするがゆえに、コミュニケーションが破綻するのです。
コミュニケーションの基本は、自分のことを理解してもらおうとする前に、相手のことを理解しようとすることにあります。
そのためにも、人間の本質を理解することが、コミュニケーションにはとても重要になってくるのです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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