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心理コンサルタントのしらたきです。
さて、恋愛心理学に『吊り橋効果』というものがあります。
みなさんもよくご存知かと思いますが、『吊り橋の上で告白すると成功しやすい』と言われるものです。
どういうことかと言いますと、吊り橋などの高いところでは、高所恐怖症でない人でも多少ドキドキするものです。
そのため、そのような状況で異性に告白されると、そのドキドキしている理由を異性に告白されたためだと脳が謝って解釈し、「自分は、彼(彼女)に気があるに違いない」と勘違いしてしまうというものです。
ドキドキする状況なら、お化け屋敷などでも同じ効果が期待されると言われています。
このように、脳が自分の行動の『意味』や『目的』を早とちりし、勘違いした解釈を与えることを『錯誤帰属』と言います。
この『錯誤帰属』が起こる理由は、脳の持っているある特性にあります。
それは、脳は、感情と行動が一致しないような場合には、感情に行動を合わせようとするのではなく、行動に感情を合わせようとするのです。
なぜなら、取ってしまった行動はもはや取り消しようがないので、その行動に感情を合わせて辻褄を合わせようとするからです。
このことに関して、とても興味深い実験があります。
それは、被験者にとても退屈でつまらない作業をしてもらい、作業の後に報酬を渡してアンケートに答えてもらうというものです。
実験では、被験者を二つのグループに分け、一方のグループには高い報酬を渡し、残りのグループには安い報酬を渡すようにしました。
たとえば、Aというグループには報酬として作業の後に2,000円渡し、Bというグループには報酬として100円渡します。そして、その後にA、B両方のグループに対して「作業は楽しかったですか?」というアンケートを取るのです。
予想では、もちろん、報酬の多かったAのグループの方が楽しかったという解答が多いだろうと思われますが、さにあらず。アンケートの結果は、予想に反してBのグループの方が「意外と楽しかった」という解答が多く、Aのグループでは「やはり楽しくなかった」という解答が多かったのです。
この実験結果も、行動に感情を合わせようとする脳の特性が影響していると考えられます。
Aのグループの場合、自分が作業をしたのは高い報酬がもらえるためだと考えることは、とても妥当性があります。そこで、「自分は高い報酬がもらえるから、楽しくもない作業をやっているんだ」と自分自身を納得させることができます。
これに対して、Bのグループでは、「たった100円でつまらない作業をしている」ということでは納得がいかない。しかし、自分が作業をしているという事実は変えようがない。そこで、「自分が作業をしているのは、報酬のためではなく、この作業が楽しいからだ」と考えて自分を納得させようとするのです。
これは言わば、人が失敗したときになぜ落ち込むのか、その理由でもあります。
失敗という行動に対して楽しいという感情を抱いたのでは一致しません。そこで、脳は、失敗という行動に対して落ち込むという感情を抱くことによって一致させようとするのです。
このように、人の脳は、身体の状態に感情を合わせようとする特性があるので、行動を変えると感情が変わるというのはこのためなのです。
そして、私たちの唱える気づきの思考法では、このような脳の特性も取り入れているのです。
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