母と一緒にスーパーに行った
バラ売りのトマトでどれがいいかを探す時に
母が真っ先に手に取ったトマト
「こういうかたちのトマトが好きなの」
と母が言ったのを聞いた時に
私の胸に去来した感情
なんて表現していいのか
何十年も一緒に暮らしきて
母がこういうかたちのトマトが好きだということを
今日初めて知った
無意識に母のことをなんでも知っている気でいた
だけどこんな身近でささやかなことすら知らなかった
考えてみれば当たり前のことなんだけど
何にも知らなかったことを思い知った
なんだかすごく自分が恥ずかしかった
そしてなんだか母のことを愛おしく感じて
涙が出そうになった
好きなトマトのかたちから繋げるには
無理な部分もあるけれど
それでもこのことから思ったのは
誰かのほんのちょっとした言動に
「この人はこういう人だ」
と決めつけることの自分の傲慢さ
私は何も知らなかった
こんなに長い時間一緒に過ごしているのに
今日のこの出来事から感じたこと、思ったことを
忘れたくないと思った