■学びて思わざればすなわちくらし
これは論語の
子曰く、学びて思わざれば則ち罔し思いて学ばざれば則ち殆し(あやうし)
と対句になった前の句で
学んでもその学びを思索して、
自分の考えとして消化しなければ
身についたものとはならないの意味です。
現在、スマホやタブレットで
塾講師の授業が見れる動画アプリがあります。
いつでもどこでも有名講師の授業が受けられて
見るだけでおぼえられるとのことですが
はたしてそうでしょうか?
■分かったと出来るはちがう
確かに理解力を高めるのに一定の効果はあるでしょう。
しかし、分かったと出来るはちがうのです。
例えば、私はギターを弾くのですが
最近は便利で、
YouTubeには様々な楽曲の演奏の仕方やテクニックを
いろいろな人が動画にとってアップしてくれています。
それを見ると、
なるほどコードはこう押さえてピッキングはこうやるのか。
非常にわかりやすい。
そして、上手な人ほどいとも簡単そうに弾いています。
しかし、実際自分で弾くとなると
何度も何度も練習しないと
そう簡単に弾けるものではありません。
ギターを弾いたことのある人はわかるでしょうが
コードを1つ押さえるのでも
慣れていないと余計なところに力が入って
すぐに指が痛くなります。
何度も何度も練習を積んで、
指にタコができるころにやっと、
さほど力を入れなくてもちゃんと
音を出すことができるようになるものです。
■頭にタコを作れ
これは勉強でも同じことで
頭の中にタコができるまで練習しなければいけません。
そうまさにタコを作るのです。
記憶というのは大脳細胞のネットワークなのです。
大脳細胞から伸びた樹状突起が他の大脳細胞と結びつき
1つのネットワークを作ることで記憶できるのです。
その記憶のネットワークを強固なものにするには
一度や二度の刺激ではダメなのです。
何度も何度もネットワーク上に電気的信号を流すことで
二度と離れない確かなネットワーク
つまり記憶になるのです。
■方程式一つとっても
方程式の解き方を動画で数回見たからといっても
あらゆるパターンの問題がすぐに解けるようになるものではありません。
同じ方程式といっても計算問題だけで
- かっこのあるなし
- 分数を含むもの
- 分子が多項式になったもの
- 小数を含むもの
と様々です。
さらに応用問題になると
- 数量関係
- 過不足算
- 速さ
- 割合
- 整数
と様々で、
さらに速さの問題1つとっても
- 道のり
- 速さ
- 時間
とテーマはいろいろあるのです。
動画を見ることで解き方の傾向はつかめますが
やはり最低数回は自分でも解いてみなければ
身についたものにはなりません。
■授業学習と自主学習
これは動画にかぎらず学校や塾・家庭教師でも同じで、
授業学習だけでなダメなのです。
ちゃんと自主学習をしなければ確かな学力とはなっていきません。
「学びて思わざれば則ち罔し」は
まさにそこことを教えてくれているのです。