てぇへんだった!てぇへんだった! | 木戸死郎復活の兆し

てぇへんだった!てぇへんだった!

えーと。なんだか大変で「タイトル」が過去形になっております。
リアルタイムにはブログにできないくらい大変でした。

阿鼻叫喚、地獄絵図は君のそばに!


数個前の投稿をご覧くださいませ。
猫が嫁車のエンジンルームに潜り込んでシャー!という記事があります。
あの時は気付いたから良かったのです。


え?あの時は・・・・良かった・・・・?

そう、勘のいい方なら文脈から想像できるのでしょう。

恐ろしいことが現実に起こってしまったのです。


1月19日。なんでもない日でした。
死郎さんが大型トラックの整備を軽くして、車をバックで定位置に戻そうとしたときのことです。

あ、もう怖くて先が読めないですか?

一応大丈夫ですので。





運転席に乗り込む!ドアをバムッ!と閉める!キーをシリンダーに挿す!イグニッションを捻る!
スターターが回る!

とその時!
ガタコン!と床下から音が!!!!

あ、臆病な方でも安心して先を読める投稿ですので。

んんん?
何の音だ!?
一旦エンジンを止める。

想定された原因。

1、雪の塊がエンジンのクランキングと共に振動で落ちた。
2、エンジンが掛かったときの振動でマフラーが地面の雪の塊に接触した。

ん~。運転席のドアを開けて、後ろ(マフラー辺り)を振り返る。特に目視で異常なし。

なんだろ?もう1回掛けてみる。ブルルン。
アレ?普通に掛かる。
じゃあまあいいか。

そう思い、トラックをバックさせる。
すると!

今までトラックが止まっていた場所から猫が出てきた!

前回嫁車のエンジンルームに潜り込んだ奴だ!ウチらは勝手に野良の「のんたん」と呼んでいる。
あ!のんたんだ!
めずらしい!触れるかな?と思い、トラックを降りる。
このとき、まだ死郎はのんたんの身に恐ろしいことが起きていたとは想像もつかなかった。

そーっと近寄る。え!!!!!???顔面から大出血!
あわわ。これは!きっと以前に見たことがある別の野良と大喧嘩したな!と直感で思った。
このとき、まだ死郎は原因が自分だったとは気付かない。
大変だ!大怪我だ!野良なんだから、放っておいたら死んでしまう!
猫を見殺しにできない死郎はあわてて箱を持ってきてそーっと箱に入れる。
先日は捕まえようにも、死に物狂いで抵抗したのんたん。
あっけなく捕まる。これは相当弱っている!


病院!病院!
死郎さん、あわてて会社から電話する。
ネットで動物病院を調べて近場から電話!その時昼の12時10分!
1件目「すみません、先生は食事に出ています。午後の診療は15時からですのでそれから来てください」
    おいおい!大出血って言ってるじゃん。「横たわっていなければ緊急性はないから大丈夫でしょう」だって?目から・鼻から出血してるってばさー!
   「他あたります!」ガチャン!
2件目「すみません、先生は手術中です。午後の診療は17時からですのでそれから来てください」
    えええー!こっちも緊急ですけど!でも、手術中じゃあどーにもならないか。ごねるより他探すほうが先決!「他あたります!」ガチャン!

3件目は隣市の某動物病院
(ちなみに隣村の某動物病院は注射針の使いまわしの現場を知っているのでハナから選定外)
そこでは、「昼休みは時間外ですので時間外診療代と頂きます」という。
「それでもいいですから先生につないで下さい」というと、しぶしぶ先生がでる。
「なに?野良なの?そういうのは保健所に連絡してほしいんだよ」
「怪我しててかわいそうだからって保護するのはどうかと思うよ。本来は安楽死させるものだから」
「来てもいいけど、時間外診療だからお金が掛かるよ?17時からなら通常の午後の診療だから、それから来れば?」

こう畳み掛けられた。
え?え?
この人、医師?倫理観とかあるの?
こっちがお願いします!と頼んでいるのに。そして「治癒したら飼っていく覚悟だ」と宣言しているのに。金のことや果ては安楽死まで出てきて、話がかみ合わない。
仮に100万掛っても、そんなの生きて健康な自分がちょっと何年か贅沢を我慢すればいいんだから、金の問題じゃないよね?今目の前で血だらけで苦しそうな生き物を人としてどうするか?死郎には目の前の1匹の猫しかどうにもしてやれないけど、その1匹を救う気持ちをこうも酷くあしらわれるのって何?何なの?
あまりにもくどいから、最後のほうは悔しさと情けなさでこっちが声がプルプルしてきちゃって。
最後、電話を切る時には「バカ!」としかいえなかった。
今思えば「貴様に呪いあれ」くらい言ってやればよかったのだが、あまりのせつなさに出た言葉が「バカ」だった。
なんか、ちょっとかわいくね?死郎、かわいくね?
実はもうオッサンなんだけどね。

次に4件目にTEL。
ここで救われた。
とにかく、連れて来てくれ、と。
すぐに車に乗せ、連れて行く。ああ、この車(トラックじゃなくて乗用車ですよ)が緊急自動車だったら!サイレン鳴らして飛んでいくのに!
I市のN動物病院に着く。事故発生から約1時間。
先生に見せる。
麻酔が効いて寝ているのんたん。今ならさわり放題。
そんなのんきな状態じゃなかった。
先生が言うに、「ああ、こりゃ事故だな」と。
その時になって、やっと分かった。


これは僕がやってしまったんだ

と。

あの時。トラックのエンジンを掛けて、「ゴト!」と音がしたとき。
のんたんはおそらく暖かなエンジンの側にいたんだ。
そしていきなり回り始めるエンジン。
逃げる間もなく襲い掛かる、回転するベルト類。
おそらく頭が巻き込まれ、体を打ち付けてしまったのだろうか?
その時の音がゴト!
体は平気そうだったが、頭の損傷が酷かった。
鼻の頭の骨折。これが鼻血やらの原因。あと数mm上だったら頭蓋骨ややられていた。
奥歯の破断。口からも血が出ていた。出血が多くてわからなかった。
あと見た目に恐ろしかったが、喉の皮膚が幅2cm、長さ3cm、2箇所に渡ってめくれて喉の中身?が見えている。

見れば見るほど恐ろしい状態だ。
生きていたのが不思議なくらいだ。
首から下は損傷がなさそう、との事。
心配なのが脳へのダメージ。

とにかく処置をしてもらい、緊急入院。
もう、気が気じゃない。帰りの運転も、足がガクガク震えた。
自分が猫を巻き込んじゃった。
数個前の投稿(と言っても去年の7月くらいか)で未然に防げたことだったのに、今回は死ななかったものの、重傷を負わせてしまった。
超、自己嫌悪。
防げなかったのだろうか?
車を何台も扱っているが、どうしたらいいのだろう?ドアの開け閉めの音で、野良なら逃げろよなー。ドア閉めてから、エンジン掛けるまで5秒以上はあるでしょ?
そこは野生の勘は働かなかったのか?

1週間入院した。
途中見舞いにも行った。まあ脳へのダメージもなさそう。怪我はあくまで怪我なので外科処置で治るもの。まあ大丈夫でしょう、との事。
ふう、一安心。
さて、保険がない猫の診療費・入院費。一体おいくら?
先述の100万は大げさでも、30万くらいは仕方ないよね、と銀行でなけなしの金を下ろして持っていった。
言われた金額は5万ちょっと。

え?あれ?
いや、50万じゃなくて?


おお、ここに神が存在した。
残りは「掛ったもの」として、コイツが幸せに暮らしていけるように使おう。
死郎なんか、ちーっと貧乏でも死にはしないから。

ふう。
さて、それから2週間近くたった。
心配ごとがある。
まだ自分から食事ができないのと、便が出ていないこと。
たしかにまだ喉の傷は癒えていない。というか、皮膚がベロンチョしていたから縫合できない部分があって、まだちょっとばかしグロい光景があるままなのだ。
鼻腔もまだ通りが悪いのか、えさの匂いが分からないと食欲もわかないらしい。
というわけで、今はシリンジで流動食を強制的に給餌している。
摂取していればまだ助かるからね。

水は自分から飲んでいるようだ。おしっこもしている。
固形物を自分から摂取して、便を自力で出せるようになれば、もう心配はないだろう。
それまでは予断を許さない。便秘だって人間が管理・記録していないと死につながるしね。

とにかく生きていてくれてよかった。

相変わらず、のんたんには嫌われている。
顔を見れば「シャー!」触ろうとするとビクビクビクッ!と体を縮こませる。
いいさ。僕は嫌われても。とにかく早く元気になっておくれ。
明日も診察に行きます。

そんなこんなで本業がちょっとおろそかになってしまいました。