ボケて幸せな生き方』
岡野雄一著(小学館新書)は
漫画「ペコロスの母に会いに行く」
の著者岡野雄一さんの
自作解説本と言っていいでしょう。
まずショックだった事は
「ペコロスの母」のみつえさんが
昨年8月に亡くなられていた事です。
ぼくはこの本で初めて知りました。
みつえさんは
漫画と映画で
僕の中に生きておられました。
心からご冥福をお祈り申し上げます。
本書はみつえさんが
亡くなられてから
書かれたものです。
ところどころのページに
漫画が出ていて読みやすい物でした。
漫画のペコロスは
「忘れることは
悪い事ばかりじゃない」
というのがテーマです。
ところが岡野さんが
映画ペコロスの森崎東監督と
飲みながら話している時
監督は「記臆は愛」と
何度も仰って
本のテーマと真逆と
思われたそうです。
出来上がった映画は
ラストシーンで
岡野さんのテーマと
「記臆は愛」が
見事に融合するのです。
こちらから見ると
幻視幻覚なのでしょうが
映画のラストシーンでは
眼鏡橋の上で
亡くなった娘や友人や夫と
集うのです。
そして幼い頃友人と一緒に覗き見た
女学校の合唱、早春賦の歌が
ラストシーンの背景にも
流れます。
映画のみつえさんの
まさに「パーソナルソング」
だったのでしょう。
森崎東監督は
映画撮影前に認知症の初期と
診断されていました。
スタッフ達の協力で
映画を作られる様子をTVの
ドキュメントで見たことがあります。
森崎東監督は当初
自身最後の作品と位置づけて
られたようですが
撮影後次回作の構想が湧き出て
取り組まれているようです。
自身の記憶にまつわる
作品のようです。