その日はずーっと大雨が続いていて、だからこそ、珍しく

 

あたしのハンディーなセフレ、ハルト師範代から

 

頭痛による逢瀬のドタキャンされてしまったわけだけど

 

あたしには確信があったわ

 

あたしが出かける頃には、この雨だって止んでいる筈よって

 

だって、性欲は人一倍強ーいけど、人一倍出不精のあたしが

 

わざわざ土曜の夜に出かけよーとしているのよ、おめかしして

 

そこまでしてあたしが出かけるんだから、

 

すごすごと雨に降られるわけがないじゃない?

 

ええ、そーしたら、案の定、雨は次第に小降りになって、

 

あたしが徒歩で待ち合わせに向かう頃には雨は完全に止んでいたわね

 

でも、今にして思えば、土曜のあたしの持ち運は

 

そこでぜーんぶ使い切ってしまったのかも汗

 

20時ちょーっと過ぎた頃に、

 

すりこぎメンから待ち合わせ場所に到着したという連絡が届いたわ

 

あたしはメンズにLINEのIDを教えるのに別に抵抗がない

 

こちらとしても、連絡するのにいちいちサイトを開いて行うのが面倒だし

 

その分、どーしても時差が出てしまうのがイヤだったので、

 

こちらから先にLINE交換を申し出たものの、

 

すりこぎメンはそれは巧みに受け流して

 

ただ一言、「とにかくそちらへ急いで向かいます!」だけだったから

 

「あー、なるほど、LINE交換したくないのね、了解~」って

 

あたしもそれ以上は敢えて無理強いしなかったのね

 

恐らく、この期に及んでも、

 

あたしのことをまだ怪しんで警戒しているのかも知れなかったしね

 

だから、すぐそばでTVを見ている夫がいたものの、

 

あたしも直ぐにすりこぎメンからのメールを確認できるよーに、

 

サイトでの彼とのメールのやり取りの画面を開いたままにしておいたのよ

 

さて、すりこぎメンからの到着したという連絡を受けて、

 

いそいそと家を出たの

 

彼にやーっと教えて貰った、車種・車色・車番をもとに、

 

彼の車を探り当てて乗り込んだのだけど、思わず怯んでしまったわね

 

すりこぎメンの車は箱型の軽自動車だったのだけど、

 

車内は何やら物でごちゃごちゃに散らかっていたし

 

おまけになーんか、埃みたいなものまで被っちゃって、

 

そのままシートに腰掛けるのが大いにためらわれたぐらいだったから

 

そ、まるでそのまま仕事用の車で駆け付けました!って感じだったの汗

 

明らかにガテン系のお仕事の車で、この埃の被り具合から、

 

斫(はつ)り工事でもされているメンズなのかしらと推測したぐらいよ

 

おまけに、挨拶もそこそこに、すりこぎメンのスマホに着信があって

 

彼は無言でサーっと着信拒否すると、スマホをしまったのね

 

画面には「めぐみ」ってしーっかりと表示されていたのが何気に目に入ったから

 

あたしにはバツイチ独身で決まった相手はいないとは言っていたけど、

 

それもどこまで本当なんだか疑わしく思ったけど、

 

ま、あたしには関係のないことだったから、こちらも知らぬフリしてあげたわ

 

「どうですか、俺はアリですか…?」

 

改めて、すりこぎメンはあたしと向き合うと、

 

控えめながらもこちらを値踏みしているのが分かったわね

 

百戦錬磨の女と恐れらてるあたしでさえ、

 

未だにこーやって露骨にこちらを見られるのは実は苦手汗

 

あたしはすりこぎメンの視線を一刻も早くかわしたいがゆえに

 

チラリと彼の方を見ただけで、条件反射で何も考えずに

 

「ええ、アリですね」と答えてしまっていたわ汗

 

それに対して、彼もまた恐らく条件反射で何も考えずに

 

「俺もアリです」と答えたのが少ーし気になったわね

 

だって、男ってば、相手がホントに自分好みの女だった場合、

 

その相手をもーっとよく見よーとして、

 

かすかながらに目が大きく見開かれるからよ

 

だけど!!

 

残念ながら、すりこぎメンにはそーんな気配が

 

まーったく感じられなかったわ

 

だけど、その後、すりこぎメンってば何度となく

 

「き、緊張しますねーあせるってチラチラとあたしの方を見ていたのだから

 

ま、こちとら及第点ぐらいには達しているでしょーよ

 

それに、お互いどーせステディーな関係を築きたいとも思っていやしないし、

 

とりわけ、今現在のこの性欲だけどーにか解消出来ればいーんだから、

 

お互い、そこは暗黙の了解、妥協ってヤツよねー

 

だけどッ!!ムカムカムカムカムカムカ

 

事前に彼が一方的に送りつけてきた、彼の自撮り写真は

 

ちょーど口元が彼の握ったスマホで隠されていたから気付かなったものの

 

何と、彼は顔の下半身はびーっしりと短いひげで覆われていたのよ!

 

ゲッ、ひげ男かよッー!!ムカムカムカムカムカムカ

 

あたしは基本的に、ひげ面、メガネ男がキライなのよー!

 

だって、キスしたり愛撫受けるときに、ひげはチクチクして不快だし、

 

けーっして清潔そうには見えないし、メガネにしたって、

 

何かとメガネがカチカチ当たるから気になってしまうのよね汗

 

それに、ど近眼のあたしは家ではずーっとメガネをかけていたりして

 

あたし自身、メガネは煩わしくて大キライというのもあったけど

 

でも、メガネの何千倍も相容れないのが、このひげ面なのよッー!!

 

そんでもって、明らかにすりこぎメンを10歳ぐらいは老けさせて見せたわね

 

あたしはこれ以上、すりこぎメンの値踏みの視線に

 

さらされるのはたまらなかったので

 

彼をさえぎるかのよーに、真正面へと向き直って座ったわけだけど

 

それでも、すりこぎメンはまだ値踏み足らないのか、

 

執拗にあたしのことを見ていたわね汗

 

ちょっとぉー、あたしはひょーっとしたら、お気に召さなかったのかしらん?

 

今回のトライアルは、ハルト師範代から逢瀬をドタキャンされるという、

 

まさに不測の事態魂によって引き起こされたものであって、

 

こちらとしても、事前に計画したものではなかったから、何かと不備が多発したわ汗

 

まずは、あたしへの差し入れの炭酸水(無香料・銘柄不問)が

 

ちゃーんと伝えられていなかったから、用意されていなかったでしょ

 

でも、これはあたしが自宅を出る前に分かっていたら、持参して対処したけどね

 

次に、ささやかながらトライアル受験生の懐事情を考慮して、

 

あたしが高校時代からずーっと通ってる、行きつけのラブホ街界隈で

 

一番エコノミーでコスパの良い、ホテルKがあるのね

 

そんでもって、あたしがほぼ毎日のよーにそこばかりを利用するものだから、

 

今ではVIP会員なみにポイントも溜まり、それの恩恵を受けて、

 

割引率もかなーり高いハズよ!笑

 

だからそこを受験会場に指定して、予めその場所をお知らせしておくのね

 

それというのも、ホテルKはちょーっとばかし街の界隈から外れたところにあって

 

それだけに行き方にちょーっとしたコツが要ったからよ

 

だけど!!

 

何度も言うけど、今回は思いがけないセフレトライアルだったものだから、

 

その肝心かなめのホテルKのことさえもすりこぎメンには伝えていなかったの!

 

メンズにFをするよりかも、もーっとはるかにキライなのが

 

車の運転だったりするあたしは日頃は徹底したペーパードライバーだから、

 

あーんなに死ぬほどホテルKへ通っていよーとも

 

所詮は助手席で相手任せで座っているだけだから、

 

直ぐにはルートが思い出せない!!

 

このすりこぎメンホテルKまでの道のりを

 

どーやって、案内しよーかと思案して

 

それであたしがしばらく黙り込んでいたら、

 

すりこぎメンはこー言って来たの

 

「…緊張してるの?」

 

してねーよッ!!

 

ひげ面の小粒なアンタに対して緊張するわけないだろッ!

 

こちとら、どんだけ場数を踏んできたと思ってるんだ、

 

例え、トライアル受験生が、奇跡のキムタク本人だったとしても、

 

あたしゃ、緊張なんざ、いーっさいしない自信があるんだからねッ…たぶん汗

 

「ううん、してない、それより、行きつけのホテルがあるんだけど、

 

そこまでどーやって道案内したらいいのかなって考えてた…」

 

あたしはその後、どーにかこーにか無事に

 

ホテルKまでの道案内が出来たわけだけど

 

実は、ホテルKを事前に案内して置かなかった他に、

 

もー1つ、致命的な不備があったのよ

 

うふふ、それは一体何だったのかは、

 

これからおいおい紐解いていくことにしましょ

 

それにしても、「段取り8分、仕事2分」とは実によく言ったもので、

 

だからこそ、あたしなんかは、セフレトライアル実施前に、

 

2次メール審査にてあれやこれやと候補者のメンズに性癖やPにまつわる

 

実にいろーんな質問をしておくのだけど

 

何せ、今回はやっつけで急遽トライアルを決行してしまったものだから、

 

後から後から何かと意に沿わない出来事ばかりが続出したわね汗

 

ま、それもある意味、当たり前っちゃー、当たり前よね

 

だって、そーでしょ?

 

あーんなに準備万端で臨んだとしても、所詮は合格率28%という、

 

実に狭ーき門である、セフレトライアルなんだからね

 

ホーント、どーしよーもない、強過ぎるあたしの性欲、こればかりは汗

 

でも、ま、いーでしょ、せーっかくここまでやって来たのだから

 

あとはこのすりこぎメンと楽しめるところまで楽しんじゃえばいーのよ!

 

って、あたしはいつものお気楽モードに直ぐに切り替わっちゃって、

 

そ、いつものよーに、これでやーっとセックスにありつけるって

 

ワクワクさえもしながらホテルKのゲートをくぐったわけ…

 

 

to be continued...

 

 

 

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