普段、治療しながら考えていること。
治療、ケアの仕方、東洋医学・・・
いろいろ考えましたが、カテゴリー分けが不明なので、治療日誌と言うことにしました。
治療や体の仕組みに関して、私が個人的に感じていることについて、自分の考えをまとめる意味でも書いていきたいと思います。
一回目は、
”前腕と下腿の調整”
についてです。
前腕(肘から手首の部位)と下腿(膝下から足首までの部位)は、2本の骨で構成されており同じような構造をしています。
そのため、調整の仕方も私の場合はほぼ同じやり方をします。
そして、
前腕は”肘と手首”、
下腿は”膝と足首”、
それぞれの調整に欠かせません。
と言うより、前腕や下腿の2本の骨のゆがみを調整すれば、足首と膝(手首と肘)の問題が消えていることが多々あります。
これは格闘技選手、一般の患者さん、ストリートダンサー(立ち、ブレイキンを問わず)などでも確認できました。
また、往診にうかがっている患者さんの肘の痛みにも、この前腕の調整ですぐに改善されたのも興味深いです。
やはり、人体の原理は共通であると感じます。
その前腕部・下腿部の調整のやり方は、空手の型の動作の再現をする様にします。
腕全体のひねり、そのひねりがどこのラインを通るか、その運動線や軸を見極めなければなりません。
これは自分自身が空手の型で、強く、早く動くことができれば、体で理解していますので、相手に再現できるわけです。
感覚的かと思われますが、体中に存在する支点(ほぼ関節の上下にあります)は明確な位置にあります。
格闘技選手に技を指導する時、健康体操教室で可動域を整えるエクササイズを指導する時などに、はっきりと相手が再現できることで証明されます。
それを施術として、私が触れて体を操作するわけです
空手の型とは、
”三戦”(さんちん)や”転掌”(てんしょう)
と言う型の動きを応用しています。
全身をらせんの様な運動線で動くことが、もっとも強く早く動くと言う、武術の目的を実現しています。
らせんと言っても、外見は直線的動きに見えます。
でなければ、相手に届くのに時間がかかってしまいますからね。
人体のもっとも効率的な運動の仕方、と言うわけです。
最近は運動学でも、より正確に解明されつつあり、直線的な動きではなく、らせん的な動き、全体的な連動する動き、などが意識されています。
”大腿(太もも)は内ねじり、下腿は外ねじりがよい”
と言うことが何かのトレーニングに関する記事で目にしましたが、武術の動きの原理から見ますと、そう簡単ではないようです。
下腿でも、上の方と下の方では力の通るべきラインが違いますし(らせん的です)、実際に私が治療する際もその様にしています。
あくまで空手の力の流れのラインにそって調整しています。
そしてそれが転倒予防などのエクササイズになり、格闘技やダンスのパフォーマンス向上と怪我の予防に役立っています。
アライメント(骨格の配列)調整と、ボディコントロールの2つを兼ねていると言うことです。
武術は護身につながらなければならないので、最高のパフォーマンスを引き出す原理の宝庫です。
私の行う治療の技術、ゆがみ調整の体操のアイデアのもとは全て空手からです。
体質や、その日の体調などを見極めるための根本的な理論は東洋医学からですが、専門学校で指導されている東洋医学は、
”運動学”
の部分が完全に欠落していると感じています。
骨格や筋肉の動きについての理論ですね。
内臓と経絡の関係、季節の養生法と言った全体的なものは当然あるのですが、人体の動きはこういう動きが理想だ、と言ったものがないのです。
それを知るには、太極拳や導引術と言った、東洋のエクササイズを学ばなければなりません。
私は太極拳や気功の手ほどきを鍼灸の師匠から受けていたのがとても役に立っています。
日本の武術である空手や剣術、柔術などの外見では分かりずらい原理を見るのに役立っています。
鍼灸やあんまマッサージの資格を取るための専門学校では、こうした東洋のエクササイズは教育プログラムに入っていません。
資格をとった後に、自発的に始めた方々は、そうしたことに限界を感じて、
”東洋の運動学”
を知らなければならないと思い、始めたのでしょう。
いろいろ勉強してきましたが、私の関節のゆがみ調整法は、他の治療術では見たことがありません。
私が出会っていないだけかもしれませんが。
ともかく、そうした東洋の武術やエクササイズの中にある運動学を引っ張り出して、人に伝えやすい形にしていくのが私のライフワークになっているような気がします。
次の回には、丹田の誤解について書いてみたいと思います。