47 出会いはカツカレーの前に | 海峡kid.の函館ちゃんちゃんこ物語

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街と空と木と花と虎と、現実と空想のブログです。

函館ちゃんちゃんこ物語47
 

道場海峡男、間本久直、山高ー焚人ー潔、深間克明の、
通称「ちゃんちゃんこ軍団」は、突然開かれた「定期総会」だったが、

海岸町の焼き鳥屋「かしらや」の「かしら」を堪能し、

間本の独り言にあきれながら閉会した。

 

 

出会いはカツカレーの前に

 

7月の爽やかな晴れの日。道場海峡男は午前中の授業がなかったので、朝はゆっくり起き、11時過ぎに、学食に朝昼兼用の食事に行った。

昼食にはまだ早い時間、さすがに学食は空いていて、のんびりできる雰囲気であった。
「今日はちょっと奮発して、カツカレーにしよう」
栄光のカツカレーだ。2か月ぶりぐらいの贅沢だ。


食券を買って、カウンターで、
「お願いしま~す」
と、元気よく中にいるおじさんにアピールして席に座った。空いている学食は、空気も澄んでいるような気がして気持ちがいい。ましてや、今日は憧れのカツカレー、こんな夢のような時間は、普段の彼の生活ではあり得ない贅沢だ。海峡男は、広い学食を眺めながら、王様になった気分で人々の動きを観察していた。



 

やがて、
「カツカレーのお客さ~ん」
おじさんの、とても聞き心地のよい声が聞こえた。
「さて」
海峡男はゆっくりと立ち上がり、誰も注目はしていないのだが、周りの目を気にしながら、ゆっくりとカツカレーのあるカウンターに向かっていった。

すると、学食の入り口から、光り輝く眩しい女の子が数人の女子学生と一緒に近づいてきた。海峡男は、今まで生きてきて遭遇したことのない光景に息をのんだ。海峡男は、左手から来るその女の子のいる集団をやり過ごそうと、立ち止まった。

 

 

光り輝く眩しい女の子は、海峡男の方を見て少し会釈しながら、爽やかな笑顔で通り過ぎていった。微かに花の香りがしたような気がした。

「目が合った・・・」と、・・・思った。海峡男は、立ち止まったまま動けなかった。

続きます。




※おことわり
この物語は、実際にあったかどうか疑わしいことを、作者の老化してぼんやりした記憶をもとに書かれていますので、事実とは全く異なります。登場する人物、団体、名称等は、実在のものとは一切関係はありません。
また、物語の中の写真はすべてイメージです。

 

「函館ちゃんちゃんこ物語」

毎年届く年賀状。その中には学生時代の懐かしい仲間のものもある。ここ数年多くなったのが「退職」の知らせだ。いつの間にかみんな年を取った。

道場海峡男(どうばうみお)は、本棚の隅から、大学の研究室の機関誌「学大地理」を取り出した。色あせた機関誌だが、40年前の懐かしい思い出の数々が鮮明に蘇って来た。

研究室の仲間、ちゃんちゃんこ軍団の同志、4年間の輝く函館の歴史がここにある。