熱風ペナンの物語87「大家がすごいことを言ってきた」
のんびりと、コーヒーを飲みながら、ペナンの海を眺めていた土曜日の朝、
たまたま家賃を取りに来た大家に、
ペナン支店のピンチを演出しているキムタコについて聞いてみた。
すると、
海峡男が想像もしていなかった、すごい情報が飛び込んできた。
キムタコこと鬼村琢実のことを、
「He is always telling lies.」
と言いきった大家。
彼は、いまはもう隠居して、
コンドミニアムの家賃取りして、優雅に暮らしているようであるが、
元々はペナンでは有名な実業家であり、資産家で、
ペナンの政財界に、今でも精通しており、かなりの影響力の持ち主だという。
いつも見るサンダルに肌着、短パンという姿からは、想像が付かない。
でも、その彼が、キムタコがもうすぐ逮捕されるというのだから、
確実な情報なのだろう。
海峡男が、
「Really?」
と、大声で聞き返すと、大家は、
にやりと笑って、海峡男に背を向けて帰って行った。
「これは、おもしろくなってきたぞ」
海峡男は、早速、経理のTANに電話した。
「Hello Mr.TAN.」
「Big News!」
海峡男というと、
TANから、待っていたかのような元気な声が返ってきた。
「Hi! Boss! me too. I have big news too!」
何やら、お互いにキムタコの新しい情報を手に入れたらしい。
ただ、今TANは、手が離せないらしく、
詳しいことは、月曜日に話をすることにして、
その場は電話を切った。
「なんとまあ、これはこれは、楽しくなってきたなあ」
「やっぱりペナンの料理は、刺激的だ」
続きます