婦人科便り240 内診と人間の尊厳と | 婦人科備忘録

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ある婦人科医の独り言です

ネタ提供ウェルカムですが
最近ご質問内容が
すでに記事になっていることが多くなってきました。
お手数ですが、まずはブログ内をご検索ください。

ネタ提供ありがとうございます。

 

ご質問ではないと思われますが

重要な問題提起がございましたので

トピックとさせていただきます。

 

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提案:

私の通っている病院は、診察の前に内診をするシステムです。
先生が、「その後お変わりないですか?」と聞いてくださるのですが、

股を開いた状態では普通の会話は難しいです。
効率化のためには、しょうがないかなとは思いますが、

可能でしたら内診時ではなく、

後の診察時に状況を

聞いて欲しいなと思っています。

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清く正しく丁寧に土下座~~~~~~~

ほんとにスマソ。

日本全国1万人くらい産婦人科医は生息しているらしいが

憚りながらこのワタクシ、

めっちゃ勝手に代表として土下座しておきます。深々

 

医者になるとだんだんと

デリカシーと一般常識が削れていってしまうのを実感。

20代の若造でも

先生、先生と周囲から一目置かれてしまうため

ピノキオの鼻みたいに鼻高くなり

天狗?いつから天狗になっちゃった??え、山に帰る?

のような状況になること多数。

おい聞いてるか野郎ども。

おめーらのせいでこっちまで評判悪くなるじゃねーか怒

 

下半身素っ裸でしかも何かを突っ込まれているような状況で

ちょっと汗がでちゃってですね、とか

相談できるツワモノはまず80オーバーの老マダム。

これくらいになると

内診台の上に乗っかったまま

脱出した子宮をこちらに見せて

「いつもはこのように押し戻しとります」

とか実演してくれる。強し。

戦争も地震もコロナも乗り越え、

今を生きる老マダム最強。

問題なく100歳超えそう。

 

そんな人生の手練れは別として(別なのか)

いやもう、内診と人間の尊厳のあり方は

永遠のテーマよ、あなた。

内診と尊厳、そもそも相反する存在だからね

生と死、愛と憎しみくらい違う。

 

かつて、研修医の頃からデリカシー欠損症の男医がいた。

(まだ生きてるけども、いい加減・・・いや言わないよ全部は)

そいつのことを今も昔も大嫌いであるが

一緒に勤務していたのは1年ほどであろうか。

 

何が嫌いって

 

やつが

 

患者さんの内診をしながら

 

(つまり腟に指を突っ込んだまま)

院内PHSにかかってきた電話を取って

受話器を片方の耳に当てながら

内診を続けたところを目撃したから、だ、YO!!衝撃~

 

くらえ飛び蹴り~~~~

 

はあはあ

 

もう初対面からデリカシーが100%欠如していたが

その現場を目撃してから20年ほど

好きだったことは一度もないし、

ちょっとどころかかなり距離を置いている。車間大事、事故の元。

 

いやもう、マダムのおっしゃる通り

内診は瞬殺で終わらせて

お話や相談はじっくり席についてから、が正解だと思います。

なんなら

内診中に予告してなかった検査が追加になるときは

いちいち内診台からおろして

パンツをはいてもらい、

席について説明し

了承を取り付けて、またパンツを脱いで

内診台に上がってもらう、ってことまで気を付けていますYOワタクシ

 

そういうの、気にしないマダムにとっては

ぽっかーん、だろうけど

誰が気にせず、誰が気にするのか見かけだけでは区別がつかん。

よって全員VIPとして取り扱い、

相手を故・エリザベス女王とみなして最大限の礼儀を尽くすこと

これをモットーとしております。

 

マダムが出会った失礼千万の内診システムも男医も

相手が麗しの女王であったなら

絶対にそのような不敬をかますことはないであろうと

自信をもって言える。

つまり、やっぱりそのような扱いには

「否!」を突き付けるのが肝要と思われるため

勇気をもって

「病院長へのお便り」を病院備え付けの箱に

入れることをお勧めします。

 

お便りは、匿名可よ♥