ちょっと聞きたいシリーズ⑭:内診台のカーテン、痛い子宮体癌検査 | 婦人科備忘録

婦人科備忘録

ある婦人科医の独り言です

ネタ提供ウェルカムですが
最近ご質問内容が
すでに記事になっていることが多くなってきました。
お手数ですが、まずはブログ内をご検索ください。

ネタ提供ありがとうございます。

 

このギョーカイが長くなれば長くなるほど

一般常識がすり減っていくので

マダムからのネタがほんとにフレッシュ~

助かりますです、ハイ。

 

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Q1.

私はカーテンの奥で何をされているのか知りたい、

そのためにカーテンをオープンにしてほしいのですが言えません。

なぜなら、カーテンを開けて内診を受けたら

どこを見ていたらいいのかわからないからです。

この場合、どこを見て受けたらよろしいでしょうか?

 

A1.

カーテン、しゃっと開けたらよろしがな

・・・止めないよ。

日本だけあるね、内診台にカーテンあるのー

ちなみにどこに視線を置いたらよろしいかと言えば

顔あたりにエコーのモニターないっすか?

あればそれをみていればいいある。

ないなら・・・ん~天井?

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ほんとごめん、内診中の視線まで考えたことなかったー

天井になんか貼っておこうかしらん。

雲の絵とか。むむむ

 

クロスワードパズルとかどうだろう。けけ

 

同じアジア圏内でも日本以外の国のマダムは

内診台に上がった瞬間、有無を言わせず

しゃっ

とカーテン開けよる。

欧米人も母国語で

ごにょごにょこちらの承諾を得て(推測)、やはり

しゃっ

とカーテン開けよります。

 

その中に

何をされているのか、誰がしているのか

はっきり見なくてはならないという姿勢を感じます。

自分で自分の身を守るという不文律の中に

漏れなく内診台に上がっても用心せよ!というのが

入っているんでしょう。外国マダム、強し。

ただ、日本ではカーテンがあった方がいい、という

恥ずかしがり屋さんのマダムもまだまだ多いので

どっちでも対応できるように

カーテンは付けておきます。

いちお、定期的に洗濯には出してあるなり。

安心してちょ

 

はい、お次。

 

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Q2.

私は何回か受けた子宮体がん検査、

すべて途中でギブアップしました。
職場で話題にしたこともあります。

私「痛すぎて無理だった」

Aさん「気絶したことある」

Bさん「気合いで乗り切る」

全員「麻酔あればいいのに」
ギブアップしてしまう人って少ないのでしょうか?
あと、「出産経験がないほうがツラい」

「セックスレスな人ほどツラい」

と聞いたこともありますが、

やはりそうなのでしょうか?

 

A2.

子宮体がん検査=内膜細胞診

もしくは組織診、痛いですよね~

ギブアップするケースは多いですYO 

だって人間だものbyみつを。

麻酔かけなくてほんとごめん。

気合だけで乗り切らせてほんとに申し訳ない。

お産の経験がなかったり、

かなりのご無沙汰だったりすると痛いと思います。

老マダムだと子宮が小さく縮んでおるので、

さらに痛かろう。

私にできるのは

マダムより先に

 

いたいねいたいねいたいね~いたいっ

・・・はいっ、いたかった~

できましたよ~おつかれさま~

 

このようにでかい声で言いながらすることくらいだろうか。

先に泣かれちゃうと泣けないのと一緒で

声にびびって痛いとは言わないように思う。極意。

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婦人科の特色で、

内診台の上で大体の検査が終わってしまえる、

というのがある。

下手すると、ちょっとしたパーティならぬ、

ちょっとした手術ですら

もー入院とかめんどくさいっしょ、

ここで一発やっとくね的なことが

横行しているかもしれない。

その延長で、無謀な検査や処置が

マダムの辛抱の上に成り立っております。

何がめんどくさいじゃ、

ちゃんと入院させろぞなもしーと

思わんでもない。

小手術の場合、私はいちお、

マダムに一回一回聞いてはいる。

入院してやる?外来でがんばる?言うてみてます。

麻酔をかけるとなると、

二泊三日コースで5万円くらいかなー

(小手術の内容にもよるが)

ちょっとしたフランス料理のフルコースに

ムッシュとおされしてお出かけできちゃうため、

がんばるマダム多数

・・・いじらしきこと風林火山。

フランス料理がいいに決まってら。

 

そんな私も子宮体がん検査は強気に

外来の内診台の上でしてるかな。

一瞬だしね~と言い訳しつつ・・

 

子宮体がん検診はどんなマダムでもたいてい痛いので

ほんとは局所麻酔をしっかりかけて

すべきことだとは思っているんですが

局所麻酔もまた、注射で子宮の入り口のよこっちょに

麻酔薬を打ち込む方式なんで、

もう、どっちが痛いかわからんような状態だし

(しかも左右一回ずつ、計2回痛い)

全身麻酔はマダムの息の根が止まる可能性も出てくるんで

とても外来ではお引き受け不可能でっす。

経済的に安く収めるには

「気合い」と「根性」に頼らざるを得ず

マダムの心意気に日ごろから深謝しておりやす。

ふかぶかー 拝

 

ちなみに、体の力を抜くコツは

口を開けて、腕をツタンカーメンのように

胸の前でクロスすること。

内診台の手すりとか持ったらいかん。

要は歯を食いしばらず、

手にげんこも作らなければ

ホモサピエンスは力が入らんことになっている。

参考にされたし。

 

まあ、今から女性の社会的地位向上とともに

痛い検査や処置はちゃんと入院させて行え、と

お上がお達してくれる日がくるんじゃなかろうか?

と期待。

バ●アグラはさっさと承認し

低用量ピルはなっかなか

承認しなかったお上のことなので

私の生きてる間にしてくれれば、

くらいに諦めておりますが

誰か偉くなってお上にモノ申してくれれば

なんとかその日を白内障なく見ることができるのでは、と思っています。

 

誰か総理大臣に、なろ❤

 

これまた任務遂行を待つ。