婦人科便り206 手術に携わるスタッフの数 | 婦人科備忘録

婦人科備忘録

ある婦人科医の独り言です

ネタ提供ありがとうございます。

 

私調べでは

自分がつらい目にあるときも

人を思いやり、人に感謝できるマダムは

治りも経過も良いようです。

 

そんな人柄がしのばれるご質問を頂戴した。

 

人柄の良いマダムは合併症も少なめの傾向にあるため

こういった人を厳選して手術をお引き受けしていきたいです。

きっと神様が味方についてんだろね。

 

****************************

Q.

一般的にオペには

何人ぐらいのスタッフの方々が

携わって下さっているのでしょうか?

 

A.

執刀医、第一助手(前立ち)、第二助手(また、もしくは おまた)

麻酔科のセンセ

大きな病院だと麻酔科のセンセの助手(研修医など)

直介(器械出し)看護師

外回り看護師2~3人

 

くらいですかねえ。

 

術中迅速病理検査をするときは

病理のお部屋で病理のセンセ、病理の技師さんも

待機しているため、さらに関わる人は増えますね。

 

これに新しい器械を導入するときや

説明を受けるとき

いわゆる医療機器メーカーの業者さんが

助言に来てくれることもある。

 

結構多いね!

****************************

 

「この世は誰かの仕事でできている」

という某コーヒーのキャッチコピーが大好きで

時々勉強会や講演なんかで披露するんですが

まさにこれ。

 

「手術は誰かの仕事でできている」

とも置き換えられるなあ・・・萌え。

 

第一助手のセンセのことを前立ち

第二助手のセンセのことをおまたというのは

産婦人科ならでは、だろうと思います。特に「おまた」。

第二助手は患者さんが内診台の格好になったような体位の

ちょうど足の間に立つのでそう呼ばれています。

 

遡ること30年弱前

自分のことを「おまた」と言われた日の衝撃と言ったら・・・

まさに

 

プレイバックパートⅡ

 

だったわー

 

♪ちょーっとまってプレイバックプレイバック

いまのこと~ば プレイバック・プレイバック♪

ことあるごとに出てくるこの伝説のフレーズよ・・・

衝撃のあまり、自分の日本語がおかしくなったのかと思たある。

 

あれから30年(弱)

 

だんだん驚きも新鮮さもなくなり

4月からの新人を触り散らかす局となり果てています(推測)。

一般人といろいろジョーシキがすれ違ってきます。注意→自分。

 

ちなみにマダムが気にされていた

「執刀医の途中交代はあるんでしょうか?」に関して言えば

もはや一般的なジョーシキ機能がとことん壊れているので

新鮮な驚きで迎えた。

むろん、先発ピッチャーが完投よ。

リリーフ出るときかなりの緊急事態、スクランブル体勢よ。

基本、ギョーカイでは7~8時間手術が長引こうが

一人の執刀医が黙々と頑張ることになっており

しっこもうんこもいかないYO

たまにお腹がせいて、途中手を下すセンセもいるけども

これがほんとのセクハラ。(せく、腹)

とか言われかねないので我慢する。

っつーか言うのはわたしか!ごめん

 

婦人科の手術は長くても8時間くらいだが

脳外科や心臓外科だとさらに長くかかることが予想され

とある脳外科のえらいセンセがおしっこの管を入れて手術に臨んだ、とか

絶対嘘やろとか思う伝説も枚挙にいとまはない。

・・・やりかねない、とは思う。

 

まあ、手術中はアドレナリンが全開で分泌されており

あまり尿意や便意を感じない構造になっている。人体の不思議。

よって術中、トイレに行けないということについて

私自身はあまり不都合を感じないが

かつて、ものごっつ長くかかった筋腫核出術後(14時間?くらい?かな)

一時的に「ぢ」になったことがあり

やはり立ちっぱなしで腹に力を入れていると

骨盤内の循環が滞り、「ぢ」になる、という説は

真実であったのだな、と心得ます。

名誉のために付け加えれば、治ってるYO。知らなくていい情報だけど。

 

若いセンセたちの中には

術中に気分が悪くなったらいけないから~

とか言って、かわゆく弾性ストッキングなぞ着用している人もいて

それぞれがそれぞれに

長く緊張する手術へ向けて

創意工夫を重ねていると思います。

 

ということで

 

よくぞ聞いてくださいました!

ですです。ありがとうございますー

 

マダム、

あなたの手術のために

私たちはしっこもうんこもセク腹にも負けず

涙を拭いて時に笑い、時に励ましあいながら

あなたのために頑張っておりましたYO!!

 

今日はあなたに。

ナマステ。