婦人科便り180 PMSはいつまで続く? | 婦人科備忘録

婦人科備忘録

ある婦人科医の独り言です

ネタ提供ウェルカムですが
最近ご質問内容が
すでに記事になっていることが多くなってきました。
お手数ですが、まずはブログ内をご検索ください。

さてさて

男女の間にはマリアナ海溝より

さらに深い深淵が広がっている。

私たちはあまり野郎どもには

理解されていないと日々感じているが

私たちも勃起不全や

前立腺肥大の悲哀を理解できないため

もう仕方がないかな~と感じる今日この頃。

 

勃起不全のお悩みに対し

「あたくしは理解できてよ?」

と真顔で言ったらドン引かれるに違いない。

理解してくれてありがとう!

という野郎がいたらメッセージください。興味ある。

 

担当の男医に

PMS(月経前緊張症候群)は40歳を越えたら

落ち着くけどね~

と暴言を吐かれたマダムよりお悩み。

 

Q.

一般的にPMSに悩まされるのは

何歳くらいまでの印象ですか?

 

A.

それは

私、いつになったら閉経しますか?

と同義。

つまり、閉経するまでその苦悩は続く。

 

一般にPMSは黄体ホルモンが出るせいだと

言われていますが

黄体ホルモンのせいだけなのかは印象として疑問。

まあ、要するに卵巣から何かしらホルモンが出て、

消費されて下がるという「波」に

体と心が付いていかない、

ってのが正解だと思う。

毎月サーフィンしているのと一緒で

その波にうまく乗れればいいが

ひとたび波に飲み込まれたら

下手したら溺れるわけで

さらに、来る波来る波、全部「ビッグウエーブ」だと

うまく波に乗ろ、思ても難しい。

生理前1週間になると

「呪いの手紙」を書いたりしたくなる

重症のPMS嬢もいた。

呪いの手紙も度が過ぎると社会生活が破綻する。

 

思うに、男医が

PMS(月経前緊張症候群)は40歳を越えたら

落ち着くけどね~

と言うたのは

 

女も40歳を越えるとある意味達観し

男と女は所詮越えられないマリアナ海溝の

こちら側と向こう側におり

何をどう訴えてももはや伝わらない、と理解する

 

ということなのではないかと思われるが、いかが。

 

黙って薬を取りに来て

体調はいかがですか~言われても

「・・・ええ、だいじょうぶです(棒読み)」以外のこと言わん。

 

な・に・が

大丈夫なの?な・に・が?

 

と、聞いてやらんともはや何も

真実を告げなくなる40歳以上よ・・・

思い出せ、ちやほやされ、崇め奉られた20代前半を。ノスタルジー

 

そんな時女医であってよかったなーとつくづく思うのは

取り付く島もないマダムたちに

「お、髪切ったね❤」とか

「お、ネイルかわいいね❤」とか

「お、今日はちいかわの靴下じゃ~ん❤」(内診台にて)とか

言ってもセクハラにならないところ。

男医にこの会話術は使えまい。けけ

 

マダムのハート、わしづかみ💛

セーターの穴や毛玉ですら会話の糸口。(自画自賛)

 

PMS嬢よ、健闘を祈る。

閉経までガッツでがんばれ