横須賀市指定重要文化財、第三海堡遺構。





ここでは、
かつて東京湾内に存在した『第三海堡』の構造物の一部が保存展示されている。

普段は金網に囲まれていて中には入れないが、
毎月第一日曜にのみ、一般公開される。
(年始は第二日曜に変更。)



「海堡」というのは、
海に造られた人工島に設置された砲台の事で、
日本では東京湾にのみ存在した。

かつて東京防衛の為に、
千葉県富津岬から神奈川県横須賀市の猿島までを結ぶラインに、第一・第二・第三海堡が築かれ、
現在は、
第一海堡(一般人は上陸禁止)と、
第二海堡(見学ツアーでのみ上陸可能)は残されているが、
第三海堡は撤去されている。


第三海堡は、
明治25年(1892年)に着工、
大正10年始(1921年)に完成したものの、
その2年後、
大正12年(1923年)9月に起きた関東大震災により半壊・半水没してしまった為に、復旧されないまま軍籍離脱。
平成12年(2000年)まで放置されていた。
(※良い釣り場として、昭和後期には艀船が出ていた模様。)




下図は、
明治13年(1880年)から昭和20年(1945年)までに東京湾内に築かれた砲台の位置で、
東京湾要塞と総称されていた物。
ほぼ中央部に、第三海堡が在った。



明治時代、海の中に人工島を築くのは困難を極め、
その土木技術は当時のアメリカ陸軍からも情報提供を求められ、その記録は今でもアメリカ公文書館に保存されているという。





現在、ここに保存展示されている構造物は、
観測所、砲側庫、探照灯である。





こちらは、第三海堡復元CG画像。



こちらは、関東大震災で半壊した第三海堡。


同上。




半壊し放棄された第三海堡は、その後、複数回の海難事故の原因となった為に、
平成12年(2000年)から平成19年(2007年)にかけて撤去作業が行われ、
状態の良い構造物が、ここ、夏島都市緑地、及び平成町のうみかぜ公園に保存される事となった。


平成28年(2016年)には、日本遺産構成文化財に認定、
平成30年(2018年)には神奈川県指定重要文化財に指定されている。


それでは、中へ!