大江山の鬼退治では、頼光四天王以外にもう一人、
藤原保昌という武人が。
藤原保昌は、藤原南家 巨勢麻呂流の出で、
中央政界では“左馬権守”を、
その他、日向、大和、摂津の国司を歴任。
歌人・和泉式部の夫でもある。
また、藤原道長の私的護衛も務め、
源頼信(頼光の弟)、平維平、平致頼と併せて
“道長四天王”とも称されている。
大江山の鬼退治では、
源頼光と共に“両大将”という描かれ方をしている。
この藤原保昌にも逸話が有る。
ある晩、笛を吹きながら歩く人から衣服を奪おうとした盗賊・袴垂(はかまだれ)が、
どうしてもその人物の隙を見付けられぬまま、
とうとうその人物の家に着いてしまったという。
その人物は、袴垂を家に招き入れて衣服を与えようとしたので、
袴垂は恐縮しながら帰ったという。
その人物こそ、道長四天王の一人、藤原保昌だった…。
歴史は常に動いている。