☆あの日の記憶

あの日のPM2:10頃、
私はとある仕事の為に、
都内某所の、
当時すでに廃校となっていた小学校の校庭を、遮断機付きのコインパーキングに転用されている駐車場に車を停め、
昼食を済ませた。

駐車場に戻り、一旦車に乗り込み、忘れ物等が無いか確認していると、
微かな揺れを感じた。

随分と強い風が出てきたな…等と考えていると、その揺れが強くなった。

風では無い…地震だ！

じっとしていようかとも思ったが、
揺れは更に強くなった。

この広い駐車場なら大丈夫か…
と思った直後、自分の車が駐車場の隅に有り、その背後には細長いビルが建っている事に気が付いた！

もし、このビルがこちら側に倒れたら…
命が無くなる！

その後の行動は、今、冷静に考えると笑ってしまうような事だが…

車を出た私は、ゆっくり静かにドアを閉めた。
勢いよくドアを閉めたら、その衝撃でビルが倒れて来るのでは無いかと、
妙な想像をしたからである。

そして、駐車場の中央に向かって静かに歩いた。



強い揺れは異常に長く続いた。

中学の時に学んだ地震のメカニズムを思い出しながら、
『この地震の初期微動から本震に移るまでの時間は意外と長かった。という事は、震源はものすごく遠いという事。
心配されていた東海大地震では無さそう。
しかし、震源から遠いはずの東京で、ここまで強い揺れを感じるという事は、震源近くは壊滅的ダメージを受けているハズ。』
なんて事を考えていた。



ようやく揺れがおさまったところで車に戻り、ラジオを聴いてみると…

『東北で震度7』

という情報が早速流れてきた。


それだけ確認した私は、とにかくその時のアポイント先に向かって歩き出した…。






あれから7年、
あの震災と、その後の津波によって命を落とした全ての人に、黙祷。