727年11月、聖武天皇が後継者として
基王(もといおう)を指名し、皇太子とした。

次期天皇を明確に決めておくというのはごく普通の事なのだが、
この時の基王は、なんと生後1ヶ月。
あまりにも早い立太子である。

因みに、基王の生母は、藤原四兄弟の妹・光明子である。
これで将来、聖武天皇に続いて藤原氏の血を受け継いだ天皇が誕生する予定だった。

しかし、間もなく思わぬ事態に。

728年9月、基王が生後10ヶ月で薨去してしまう。

この時点で、
聖武天皇の皇子は、藤原氏の血を受け継がない安積親王だけになってしまった。

こうなると、ある可能性が浮上してくる。

もし、聖武天皇並びに安積親王に万が一の事が有った場合、
天武天皇の孫にして、太政大臣・高市皇子の長子である長屋王に、“皇位継承”の可能性も出てきたのである…。



歴史は常に動いている…。