獅子岩の後に向かったのはこちら。
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花の窟神社!(はなのいわやじんじゃ)
世界遺産にもなっている。



手水舎の脇には、球形の岩!
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拝殿脇を通り抜け、奥には御神体とされる
岩山が…。
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岩山の前面には大きな“くぼみ”が。



典型的な“岩影祭祀遺跡”の形態。

神の固有名詞すら無かった時代(縄文~弥生時代)の、自然神への祭祀場と考えられる。



主祭神はイザナミとされているのだが…。



その根拠は、日本書紀の中の
“一書曰く…”という、注釈的に書かれた別伝に、

火の神・カグツチを産んだ事により大ダメージを受けて死んでしまったイザナミを葬った場所が有馬村である…。

という部分だという。



地元では、
“日本書紀に書いてある…”と、信じている人が多いようだが、
まず、“一書曰く…”の時点で、それは日本書紀の記述ではないという事を知って頂きたい。

因みに、日本書紀の本文では、イザナミはカグツチを産んで死ぬ事は無く、
普通に国産み神産みを続け、
アマテラス、ツクヨミ、スサノヲを産んだ後に、荒くれ者(神)のスサノヲに対し、
“根の国”に行けとイザナキと共に宣言したのを最後に出て来なくなる。

又、古事記には、カグツチを産んで死んでしまったイザナミを葬った場所は、
出雲国と伯耆の国の境に在る比婆之山
(鳥取県の比婆山)と書かれている。


よって、南紀熊野地方の有馬村でイザナミを祀る根拠を、ここがイザナミを葬った場所だとする事には、
少々ツジツマが合わないと言わざるを得ないだろう。



因みにこちらには、カグツチも祀られている。



こちらもやはり、岩影祭祀遺跡と考えて良いだろう。



解りやすい“岩影”。
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さあっ!
次の場所へっ!