ホテルの窓から見えた小島は…



魔見ヶ島(まみるがしま)。



地元では“マブリカ”と呼ばれているらしい。



この地には、
桓武天皇の時代、この近辺の海を荒らし回った海賊“多我丸”を、
蝦夷征討で有名な、あの坂上田村麻呂が討ったという伝説が有るそうなのだが、
この多我丸の拠点の護りが固く攻めあぐねていた時に、神の化身がマブリカに現れて舞いはじめ、
興味を持った多我丸が扉を開けた瞬間、
田村麻呂がたった一矢で仕止めたというのである。

ただ、この話は、モチーフとなった話は有るのだろうが、坂上田村麻呂というのは創作かと思われる。

この地は所謂“熊野水軍”という、朝廷をはじめ何処の組織にも属さない海運を担う集団の拠点であり、
この地に逃げ込んだ犯罪者が捕縛された事もあったのだろうが、
それが有名な武人“坂上田村麻呂”の仕事とされてしまった物だろう。

坂上田村麻呂は蝦夷征討で名を馳せた有名人であるだけに、
各地で鬼を倒したとか賊を討伐したとかいう話が多く語られているが、
実は、そのほとんどが田村麻呂と同時代の別の武人の仕事だという。



さて、マブリカの見える所から更に進むと、
多我丸の拠点とされる“世界遺産”が見えてくる…。