誤算～行動開始

天保8年（1837年）2月19日の早朝、
平八郎の所に決起計画が露見したという知らせが届いた。

平八郎の自宅で開いた私塾『洗心洞』の門弟の中の現役の同心、

平岡助次郎
河合八十次郎
吉見九郎右衛門・英太郎 親子

以上の4人が、平八郎の計画を奉行所に密告したのだという。

これを知らせてきたのは、やはり洗心洞の門弟で、この日たまたま当直として奉行所に泊まり込んでいた同心だった。

もはや一刻の猶予も無いと判断した平八郎は、
この時点で集合出来る25名だけで行動を開始した。

まず、夕刻に大坂東西の町奉行が休憩する事になっていた朝岡邸を砲撃すると、自宅にも火を放ったのである。

やがて、
『大坂天満で火の手が上がるのが合図…。』
と書いた檄文により、近隣の農村から加勢が到着し、平八郎一党は70名となった。

そして、天王寺屋や鴻池といった大坂の豪商を次々に襲撃すると、米を庶民にばら蒔いたという。


歴史は常に動いている。