京

京の清水寺に於いて、真剣勝負に発展してしまった相手を斬り倒した塚原高幹の噂を聞いた有力者から、遣いが来たという。

その有力者とは、室町幕府管領・細川政元。

かつての、応仁の乱発生時の東軍の中心人物・細川勝元の息子で、文明6年（1474年）、西軍の山名政豊との和議を成立させた人物である。

塚原高幹が清水寺での真剣勝負に挑んでいた頃、室町幕府将軍・足利家は、細川政元や日野富子によるクーデター・明応の政変により、足利義澄が11代将軍となっていたが、
義澄の将軍就任に多大な功績の有った細川政元は、“半将軍”とまで呼ばれていたそうだ。

しかし、室町幕府将軍家の弱体化は、各地で謀叛や内乱を引き起こしていた。

結果、細川政元もまた、鎮圧軍を出す必要性に駆られ、腕の立つ者を欲していたようであった。


歴史は常に動いている。



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