池田屋

元治元年（1864年）６月５日の夜、
斎藤一は、鴨川の東側を探索する“土方歳三”率いる23名の中に居た。

京を火の海にする恐ろしい計画を阻止する為であった。

途中、土方は10名を井上源三郎に預け、鴨川東岸 を深夜までシラミツブシに調べるものの、全て空振りに終わる。

残るは鴨川西岸。

向こう側は、近藤勇が率いる９名が探索しているはずであったが、如何せん隊士の数が少ない。

すなわち、近藤隊が本命の相手とぶつかり、窮地に陥っている可能性が大きかった。

井上隊＆土方隊は、三条大橋を渡り、鴨川西岸へ移動。
そのまま直進し、三条小橋を渡った三軒目の“池田屋”から怒号が聞こえてきた。

斎藤一が井上源三郎に続いて屋内に入ると、果して、表口を固めていた谷万太郎＆武田観龍斎を除いては、無傷で闘っていたのは近藤勇ただ一人であった…。


歴史は常に動いている。