聖武天皇の考えた仏教ネットワークによって、全国統治が上手く機能したかに見えたのだが、そこにはどうにもならない問題が存在した。

それは…

当時の日本には、正式に得度した僧侶がほとんど存在しなかった!

という事である。

仏道修行をする者は、3人の師匠ならびに7人の証明師=合計10人の正式な僧侶から戒律を授けられる“授戒”の儀式を経て、初めて正式な僧侶となれるのである。

しかし、当時の日本は仏教を受容したにも拘わらず、戒律を授ける事のできる正式な僧侶がほとんどいなかった為に、大陸の大国“唐”から授戒できる正式な僧侶を呼ぶ事が急務となっていた。


歴史は常に動いている。