物部守屋追討の命を受けた蘇我馬子は、大軍を率いて守屋の館に向かった。

しかし、孤立したとは言え、やはり軍事氏族である物部守屋。
稲藁を積み上げて防備を固め、追討軍を3度も退けたという。

ところで、なぜ稲藁の壁ごときを追討軍は突破できなかったのか?

この稲藁の壁は、言うなれば“神”の力が込められた霊的な防壁なのである。

雷を“稲妻”と表現する事は御存じであろう。

その昔、雷雨が無ければ実りは無い=稲に雷(天・神の力)が入って初めて実る…つまり、稲藁には神の力が宿っていると考えられていたのだ。

故に、追討軍は物部守屋の築いた稲藁の壁に手が出せなかったと言われている。

この様に、呪力による防備を固めた守屋に対し、馬子側も呪力をもって攻撃するのである…。


歴史は常に動いている。