『新唐書』の中には、日本の皇室の歴史が書かれている。

ここでは、日本の大王は
“阿毎(アメ?)”という姓で筑紫城に住み、
初代・天御中主(アメノミナカヌシ)から
32代のヒコナギサウガヤフキアエズまでは“尊(ミコト?)”と呼ばれる存在であったという。

ヒコナギサウガヤフキアエズの子・神武の時からは“天皇”と呼ばれるようになり、筑紫から大和に移ったと書かれている。

この『新唐書』の記述は、日本の『古事記』と『日本書紀』の記述がミックスされたような内容である。

アメノミナカヌシは『古事記』における初めてこの世界に顕れた神であり、
ミコトを“尊”とする表現は『日本書紀』に見られる。

そして、『古事記』では“神代記”という扱いをされているアメノミナカヌシからヒコナギサウガヤフキアエズに至る系譜を、
『新唐書』では全て人間の王として扱っているところが興味深い。


歴史は常に動いている。