プロボクシングの元世界2階級制覇王者で、「亀田3兄弟」の長男・興毅(23)とWBA世界フライ級王者の次男・大毅(21)=ともに亀田=が8日、そろって7月25日のノンタイトル戦(大阪府立体育会館、相手未定)を控え、合宿を張るフィリピンへ出発した。

 9月下旬に元WBA世界フライ級王者・坂田健史(30)=協栄=との初防衛戦を予定する大毅は、興毅と同じ7月25日にノンタイトル戦に臨む。

 「自分との闘い。自分に負けたら試合にも負ける」。世界戦決定後に前哨戦を行うのは、今回で2度目だ。昨年8月に53・0キロ契約で10回戦をこなし、2月に王座を奪った前王者デンカオセーン・カオウィチット(33)=タイ=に中36日で挑んだが、判定負けしている。今回もそのとき同様、試合間隔が開くことを嫌って、異例のノンタイトル戦を組んだが、同じ過ちは繰り返さない。

 減量は興毅よりも苦手とあって、「オレもSフライ級に上げたい」と本音もポロリ。王座を奪取した試合では計量2日前に貧血で倒れたが、「せっかくベルトを獲ったので、できる限りやりたい」と前を向いた。
プロボクシングの元世界2階級制覇王者で、「亀田3兄弟」の長男・興毅(23)とWBA世界フライ級王者の次男・大毅(21)=ともに亀田=が8日、そろって7月25日のノンタイトル戦(大阪府立体育会館、相手未定)を控え、合宿を張るフィリピンへ出発した。興毅はこの試合からフライ級(リミット50・8キロ)から1階級上げたスーパーフライ級(52・1キロ)への転級を決断し、日本人ボクサーでは例のない世界3階級制覇を目指すと宣言。「減量」という未知の戦いが始まる。

 世界2階級を制した実績も、頼りにはならない。日本人世界王者にとって、前人未到の3階級制覇へ。興毅が手探りとなる合宿へ旅立った。

 「Sフライ級がどんなものかつかまないと。未知の世界でどこまで通用するか不安があるよ」

 15歳でアマチュアデビューし、17戦を重ねてプロへ転向してからも、06年8月のWBA世界Lフライ級王座決定戦と同12月の初防衛戦以外、23戦中21戦はフライ級で消化してきた。この世界戦にしても亀田家の野望、「世界3階級制覇」を視野に入れ、無理にフライ級から1階級下げてベルトを獲りにいったもので、階級が適性ではないとして、王座を返上している。

 ノンタイトル戦の契約体重でも51・5キロが最重量。約8年間、フライ級一筋で闘ってきた興毅にとって、リミットで1・3キロ重いSフライ級は未知の領域だ。

 調整は遅れている。3月のWBC世界フライ級王座統一戦で、暫定王者だったポンサクレック・ウォンジョンカム(32)=タイ=に判定負け。王座から陥落した直後、父・史郎氏(45)が起こしたどう喝問題で所属する亀田ジムが約2カ月間、活動停止に追い込まれ、練習環境は河川敷など限られたものになった。

 継続している筋力トレーニングや成長期と相まって普段の体重が約60キロまで増えたことで、Sフライ級のリミットまでは約8キロある。プロデビュー当初は、増えても55キロ程度だったことから減量幅も2倍になった。10日間予定されるフィリピン合宿では、温暖な気候や多彩な練習相手とのスパーリングで、少しでも52・1キロへ近づける予定。大好きなスイーツも控えて一気に5キロ以上の減量に臨む可能性もある。

 王座を上げて再起戦へ。「(フライ級での)スピードを生かす自信はある。25歳までに(Sフライ級の)世界王座を獲りたい」。WBA、WBC両王座の動向に目を光らせ、一気に勝負に出る。

ハッスルが新しい船出へ向け9日、東京都内で会見を開き次回の9月大会からイベント名を『ハッスルMAN’Sワールド』と新調し、9月10日に東京・新宿FACE、10月27日に東京・後楽園ホールの2大会を開催することを発表した。会見に出席した坂田“ハッスル”亘は「9月大会から気持ちを新たに、これが本当の旗揚げだと思っているので、それに恥じないイベントをやりたい」と宣言。その一方で、第一線から身を引いて裏方に徹すると約束した中村カントクは、早くもそれを反故にするかのように坂田がまったく知らないところで独自のプロレス大会「Euro Vintage Action(E.V.A)」を旗揚げ、さらに「ハッスルMAN’Sワールド」第1回大会の2日前である9月8日に同じ新宿FACEで第1弾大会を開催することを発表してしまった。またも中村カントクに裏切られ、興行戦争を仕掛けられた坂田。新生ハッスルの船出は前途多難!?

 会見の席上、4.30&5.30後楽園大会で罰ッスル軍を率いて暗躍した中村カントクがまず、この2大会をもって最前線から身を引くことを発表した。
 「あの2大会で自分の仕事は終わった。今後は坂田さんの掲げるハッスルの裏方としてご支援する覚悟だし、ZERO1としての協力関係に変わりはない。罰ッスル軍もハッスルから撤退します」
 そう言い残して退席した中村カントク。その背中を見送りながら坂田は、これまでの抗争をすべて水に流すかのように「色んな困難を与えられたけど、彼なくして4月、5月の大会はなかった。感謝しています」とお礼を言うと、「表舞台から退くという中村さんの気持ちに対して、僕から言えることは何もない」と、中村カントクの決断をしっかりと受け止めた。
 今後のハッスル再浮上がその双肩にますますのしかかってくることになった坂田。気持ちも新たに新しいモノを作っていきたい、と語ると、これを機会にイベント名も新しくして秋に再出発することを発表した。その名も『ハッスルMAN’Sワールド』
 「大谷さんや長州さん、藤原さん、FUNAKIさんとか、すごいエネルギーを感じる人たちに集まってもらって大会をやってきましたが、とにかく世界中でハッスルしている人間を集めた大会、組織にしていこうと思っています」
 4月、5月の大会はハッスルが生きている証明にはなったが、まだ前に転がっていっただけ。そこから立ち上がってしっかり歩いていきたい、と坂田は付け加える。大会名は新しくするものの、『ハッスル』の名称はもちろんなくさず、「ハッスルの火は消さない」と力を込める。
 具体的な参戦選手はまだ決まっていないが、過去2大会に出場した大谷晋二郎、長州力、藤原喜明、FUNAKIらの名前を挙げ、「理屈じゃ語れないエネルギーを持った人たちと話し合っていきたい」と坂田。既存のファイティングオペラではないと断言し、「ここからが本当の意味での旗揚げです」と気合をみなぎらせた。

 坂田がひと通り説明を終えて会見場から退席。追加の告知としてハッスル広報が若鷹ジェット信介プロデュースによるスピンオフ大会の説明をしている時だった。
 突如、サングラスをかけた黒の中村カントクが乱入。「あっち行け」と広報を手であしらうと、なんと独自の新イベント「E.V.A」旗揚げを発表し始めた。しかも、日時はハッスル9月大会の2日前にあたる9月8日、会場は同じ新宿FACE。中村カントクは新イベントコンセプトについて以下のように説明する。
 「本来のプロレスラーの強さ、すごさ。そしてプロレスを本来の姿に戻すべく『E.V.A』を立ち上げました。日本からは田中将斗を中心に、ヨーロッパ、アメリカ、南アフリカなどからプロレスラー本来のニオイのする選手に出場していただく」
 ハッスルからは完全に独立した、中村カントクの信念を貫く大会。ゼロワンとは違ったプロレスの見せ方ができるのであれば挑戦したいと語ると、「オレたちこそがハッスルだという気持ちがあるし、これがプロレスだという気持ちも奥底にある」とまで言い放った。

 広報に事態の急変を伝えられて慌てて戻ってきた坂田だが、中村カントクはすぐさまサングラスを外して何事もなかったかのように退場。広報、報道陣から顛末を聞いた坂田は、「興行戦争じゃねぇか! 裏方に回るって言ってたじゃねぇか!」と怒りをにじませるものの、あまりに突然の出来事に「混乱してきた……。これはこれで対応しますが、9月、10月は気持ちを新たにやっていきますんで、よろしくお願いします」と話すのがやっとだった。

 またしても中村カントクに裏切られ、新しい船出に泥をかけられた格好となった坂田。果たして坂田が目指すハッスルの未来は明るいのか。それとも中村カントクが仕掛ける、どことなく某人気アニメにも似た『E.V.A』がハッスルを食ってしまうのか。

■ハッスル「ハッスルMAN’Sワールド」

【旗揚げ戦】
9月10日(金)東京・新宿FACE 開始19:00

【第2回大会】
10月27日(水)東京・後楽園ホール 開始19:00

■ハッスル スピンオフイベント第1弾 若鷹ジェット信介プロデュース「ジェッツ1 ~Road to HUSTLE」
7月10日(土)東京・西調布格闘技アリーナ 開始18:00
 
 
■Euro Vintage Action 旗揚げ戦「E.V.A:序 ~発進!~」
9月8日(水)東京・新宿FACE 開始19:00

<出場予定選手>
田中将斗、柿沼謙太(以上ZERO1)
ジョー・レジェンド(ドイツ)