CAMEL 「CAPTURED」 | kichi ’s World Review

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SF、音楽等、個人的こだわりの作品レビュー。

 キャメル 「キャプチャード(保護)」


 プログレッシブロックを聴きだしたのは、ごく最近で30代の後半に入ってからである。それまではあまりインストロメンタルに興味が湧かず、長い演奏曲が苦手であった。楽器を本格的に手にするようになって、その手の音楽の魅力が解るようになってきたので、現在は全く平気である。

 キャメルもプログレの代表的バンドで、自分にとって未知の世界であったが、20年も前から身近な存在にまで引き付ける要素があったのに全く気がつかなかった。

 

 幼少の頃より、アントニオ猪木、ジャイアント馬場全盛時のプロレス中継に魅せられ毎週TVに齧り付いて観戦していたが、プロレスの魅力の一つに選手の華やかな入場演出があった。

 ファンク兄弟やミル・マスカラス、ハンセン、ブッチャー等。有名レスラーには必ず印象的なテーマ曲が有り、そのイントロを聴いただけで熱狂と興奮の中に没入させられた。

 大学生の頃になるとよりリアルな格闘技を標榜したUWFが台頭し、旧態依然としたプロレス団体に挑む前田日明や藤原義明の勇姿に、若き熱情みたいなものを投影し、仲間と熱く語り合ったりしたのを覚えているが、その前田のテーマとして使われ、必殺技の名称にも流用されたのがキャメルの「キャプチャード」であった。当時キャメルに馴染みがなかったので、深く追求しなかったが、’09年紙ジャケで再発され「ヌード~Mr.Oの帰還」に収録されたおり購入してみて初めて気がついた。20年余を経て再会した感じである。

 このアルバムはコンセプトアルバムで、太平洋戦争の終結を知らず29年もの間、フィリピン ルバング島で潜伏を続けた小野田寛郎少尉の実話を基に制作された。NUDEはONODAに由来するとの事らしい。

 




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